2014年1月8日水曜日

報告書完成!

前回の調査の報告書がようやく終わった。とりあえず委託先には年内に提出済みで、現在修正作業中。内部への報告もこれで一段落。

ちょっと時間がかかったのは、今まで「アンドロポゴンの調査」と呼んでいた、土壌保全のための在来知の調査という、本調査の合間にやっていた調査のまとめに時間がかかったから。この辺の資料の整理もまとめてやっていたら、レポートの類で100ページ以上書いていた。そろそろ論文になりそうな雰囲気だけど、決定的に足りないのが、実証的なデータで、アンドロポゴンやらの植物を植えることでどれだけ水の流れを食い止められるか、ということだ。
 
 
なにがどこまでローカルの知恵なのか、ということを考えるだけでも十分に価値のある研究なのだけど、「じゃあ、どれだけ食い止められるの?」と聞かれるとなんとも言いがたいのが現状。写真のように、畑の境界にこんな草を植えたりする(写真)のは、かなり浸透しているのだ、ということは分かっているのだけど、すべてが経験知で、それを実証的データで裏付けたい。
 
何度かこのブログにも書いたけど、この近くでは、かなり金が採れる。金のせいで、ところどころの村で耕地を放棄している様子も伺えたし、こんな草を植えて経済的なインセンティブを誘引する、という僕らのプロジェクトの思惑はずいぶん貧しいインセンティブに見えてしまう。でも、明らかにこういう草を植えたほうが効果は薄いながらも、安定的に、そして簡単に現金を得ることが可能だ。これはここのあたりの農家の人たちが経験知としてよく知っている。あまりこんな言葉は好きでないけど、いわゆる「持続可能な技術」なのだ。なので、「人屋」(人類学では、「サル屋」と比較してこんな言葉を使う)としては、こういう技術を採用している人の営みに大いなる興味を抱く。
 
こんな二つの方向性を考えながらこの調査を進めているのだけど、さて、どこまでいけるか…とにかく、毎回少しずつしかできない調査なので、一回一回、こうやって少しずつ書き溜めていくしかないのだろうな…

2 件のコメント:

  1. 荒熊さん、新年おめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
    在来知というコトバ、京大で教えてもらいました。「人屋」と「サル屋」という人類学の立場も面白いですね。現在のアフリカの鉱産開発熱や投資熱に対して、こういう地道なアフリカの在来知についつい共感してしまいますね。

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  2. tsujiさん、松の内は過ぎましたが、あけましておめでとうございます。こちらこそ本年もよろしくお願いいたします。
    「在来知」という言葉も曲者で、おそらくすべての「在来知」と呼ばれる技術や知識は、その地域だったり、ものによってはここ数年間で外国人が持ち込んだものでも完全に消化してアレンジされていることがあります。そうすると、「伝統的」と言われる物事をどのように解釈するか、という議論に発展していきます。このあたりをどんな風に捉えるのか、よく考えていかないといけないな、とおもいます。
    金の話ですが、すごく難しいな、と思っています。というのが、あの広陵と広がるアフリカの大地で。なんの区切れもないままに、そこの人の生活や心持がガラリと変化する、なんか、異次元的な世界観を感じてしまうのです。人の縁が極端に薄く(という印象)、殺伐とした(印象)があります。世界経済におけるインパクトもそうなのですが、入り込むのが難しい世界だからこそ、ミクロな営みを観察しなければならないのだろう、と思ってはいるのですが…

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