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連載「セネガルを喰う 西アフリカ・グルメ調査団が行く」

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  昨年10月からリビングモンタージュのWeb Siteにて「 セネガルを喰う 西アフリカ・グルメ調査団が行く 」という連載を始めました。今回は、私ひとりでなく、セネガル研究者、セネガル在住の池邉智基さん、同じくセネガル在住経験があるセネガル料理研究家の星野未来さんとご一緒しています。 正直なところ、『ブルキナファソを喰う』の「二匹目のどじょう」狙い…という、いやらしい気持ちはあるのですが、西アフリカ全体を考えたときに、セネガル料理は外せないだろう、という気持ちが強くあります。なぜセネガル料理を外せないか、と言えば、セネガル料理が西アフリカ料理全体のひとつのプロトタイプとなっており、どこに行っても、セネガル料理が食べられる、ということ、そして、「西アフリカ料理全体のプロトタイプ」を発信しているにも関わらず、逆に、セネガル料理が西アフリカでは、大変現代的かつ近代的であり、大変特殊な料理体系をもっている、ということも重要な理由です。 3人で作っているネタ帳はかなり多くの項目が挙げられています。食文化から、生産や消費、そして、文化的な面まで、可能な限りさらっていこうと思っています。最初の3回は順調に滑り出しましたが、第4回(清水担当)が大幅に遅れてしまいました。もっとコンスタントに呼んでいただけるようにしたいと思いますので、どうぞお楽しみに。

『イスラーム教育改革の国際比較』(日下部達哉(編著))が出版されました

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  『イスラーム教育改革の国際比較』が出版されました。私は、第5章「ブルキナファソにおけるイスラーム改革主義運動」を分担執筆しました。 この本自体は題名通り、アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパという、ムスリムが多い地域(ヨーロッパが入るのは意外でしょうか?)のイスラーム教育の位置づけを並べてみる、という企画です。編者の科研費で集められたメンバー9人が執筆しています。 私は、ブルキナファソのフランコ・アラブと政府の間の相克について書きました。政府がどのようにイスラーム教育を捉えるのか、という点なのですが、やはり、政府はうまいこと使ってやろうとしている、フランコ・アラブはそれに振り回されつつも、今、置かれた環境の中でなんとかかんとかやっている、というようなことを書きました。2年間フィールドに行けなかったこともあり、データの積み増しがなく、若干消化不良…というのが正直なところです。 しかし、この本はこの本でとても面白くて、イスラーム教育の多様性がよく出ていて、そのおかれた立場、政府、市民からのまなざしの違いがよくわかる。しかし、今、とても気になるのが、「比較」という言葉なのです。実は、来期から「比較社会学」という科目を持つのですが、未だ「比較」という言葉に悩まされています。「比較」するには、ある視点と、それにまつわる複数の事例が必要なはずで、僕の理解では、さらに分析があるべきだと思っているのですが、多くの「比較」が分析がない気がする。この本がどうかは、世の中の評価をお待ちするということにして、もう少し「比較」ということについて考えを深めていきたいと思います。 話がずれましたが、出版のご報告です。 この本にご関心のある方は、ブログからお申し出ください。著者割(+送料?)でお譲りいたします。

セネガル/ブルキナファソ渡航-①

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2022年2月26日。約2年ぶりにアフリカの土を踏みました。そろそろ暑くなる季節なのに、セネガルは肌寒く、上着が一枚必要なほどでした。 今回のミッションは2022年度に行われる学生の研修の下ごしらえ(セネガル)と科研費の調査です。年度末ということもあり、諸々のドタバタで準備もままならないままに出発前日を迎えました。今回は、ユースギョンさん(マンガ学部)と吉野さん(グローバル推進室)のアフリカ初体験のお二人と同行しました。パリで一泊し、セネガル入り、という段取りでした。 パリでは、私は授業収録があり、ほぼホテル缶詰めでしたが、お二人はパリを散策。その間にユーさんがATMでトラブルで10万円以上が戻らないことに…。旅の初めから不穏な空気が… この空気は、セネガル到着に引き継がれる。いやな感じの入国審査官に一通りいじめられ、何とか出国し、ドライバーと落ち合う。ホテルの場所を伝え、ホテルの街に向かう。途中、通行人にホテルの名前を聞くが、誰もしらない。Google mapで調べながらホテルに向かい、「ホテル」のあるはずの場所には、大きなお屋敷。看板もないが、鉄扉をたたいてみる。屋敷内には電気がついているが、誰も出てこない。30分ほど扉の前で中の人を呼ぼうとしたが結局ダメ。夜も更け、深夜に突入しそうだったので、他のホテルを探すことになった。しかし、コロナ禍にあって、他の2,3のホテルも満室。途方にくれたが、「彼が近くにいたはず!」(というか、翌朝の朝食を一緒に、と約束はしていた)。ということで、近くに住んでいる映画監督のThomas Grand氏に電話してみると… おそらく眠りについた頃、最初はだれだかよくわかっていないが、「俺だ!清水だ!」というと、「おぉぉぉぉ!どうした?」「予約していたホテルがなくて困ってるんだ。連れがいるから、今から行っていいか?」と聞くと、「もちろんだ!早くうちに来い!」ということでドライバーに道を伝え、一路Grand氏邸へ。  Grand氏邸に着くと、家族がすべて起きだして、我われを迎える準備をしてくれていた。深夜すぎというのに、1歳児までが我われを迎えてくれる。そして、ビールやら食事やら、シャワーやらを用意してくれて、2時過ぎに就寝。長い一日が終わった。翌朝、8時過ぎまで、3人とも爆睡。そして、約束の朝食。 ハプニング続きのセネガル渡航、これからど