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「火の用心」

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子どもたちも参加しました 出張の合間の土曜日。定例の町内会の会議の後に「火の用心」が再開されました。一般的に「面倒なこと」ですし、この時期に火の用心もないのですが、コロナの数年間中断していたのを復活させることになりました。 拍子木を「カンカン」「火の用心!」、もちろん、秋から冬にかけての火を使う季節に聞こえてくるこんな声。自分で出したことはなかったですが、町内会のお歴々と一緒に大きな声で。拍子木を打ちたくてきた子どもたちも少しずつ声に張りがでる。町内のお年寄りが音をききつけて玄関から顔を出し、子どもたちが拍子木を打つ姿に目を細め、こちらからも挨拶をする。 町内会を賛美しても錯誤な感じもしてしまうが、いつもあったことを改めてやってみる。きっと懐かしかったりもするはず。暑いさなか、水でも打ってみようか、などと思ってくれたら少しずつ顔の見える町内になっていくような気がしてなりません。  

【子ども学と子育て】Vol.28 歴史と地理を学ぶ 勝龍寺城

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写真1.正門から 「信長の野望」熱冷めやらぬうちに、実際に色々なところに行こう企画の第2弾。 毎週日曜日の水泳がお休みで、突然やることのない日曜日に(私ゃあやること山ほどあるんで、水泳を待つ間の喫茶店ワークを楽しみにしてたんですが…)。   ともあれ、少しのんびり目に10時ころに自宅をスタート、1時間弱くらいで勝龍寺城に到着。住宅地の中にポツンとあるお城ですが、なかなか品格のある「城址」でした。それもそのはず、戦国時代の文化人、細川藤孝による本格的な築城、明智光秀が山崎の戦の後に最後に籠った城、ということで、戦国時代の臭いの濃いところでした(写真1)。 現在、ある「城」は近年立て直されたものですが、門や石垣は当時のものを発掘して再現されています。この「城」の中は資料館になっており、この城に所縁のある細川藤孝・忠興親子、忠興の妻ガラシャ、そしてガラシャの父の明智光秀に関する展示が置かれています。 正面の門 正面の門を入ると、城内はきれいな公園として整備され、城壁沿いに桜が植えられている。シーズンになれば、とても気持ちの良い散歩道になることでしょう。「城」の内部は撮影不可なので写真はありませんが、ジブリの「かぐや姫」を思わせるタッチのキャラクターで描かれた勝龍寺城をめぐる歴史は大変親しみやすいものでした。 城内は公園として整備されている 一通り展示を見終わると、ボランティアの方に声をかけられる。「案内しましょう」とおっしゃっていたものの、「案内させろや!」くらいの圧がかかり、せっかくだし、お願いすることに。 城の歴史、再建の過程や発掘、城の構造まで、ボランティアの方は大変よく勉強されており、とても興味深い…年配のボランティアの方(女性)は、きいが飽きないように、よく話かけてくれるのですが、ボランティアの方も好きが講じた趣味らしく、話がとまらない。僕はと言えば、合いの手を入れて見たりして盛り上げてしまったこともあり、だんだん疲れてきてしまう… 再現された石垣 梅雨の明けた、暑い夏の日。そこで聞く歴史の話…アフリカでの僕の仕事の環境なわけで、僕はと言えば、好奇心爆発、ボランティアさんからいろんな話が聞けるのが楽しかったのですが、きいはだんだんため息をつくようになり、連れはもっと前からつまらなそうな感じ… この辺までかな、と思い、切り上げることにしました。 正面の橋 ...

【映画】『ノー・アザー・ランド』(2024年、監督:バーセル・アドラー, ユバル・アブラハーム, ハムダーン・バラール ラヘル・ショール, 95分)

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久しぶりに劇場で鑑賞しました。それなりに忙しく、なかなか劇場での鑑賞は叶いませんが、どうしても見たい作品は万難を排して時間を作るべきですね。 あらすじは こちら (公式Webサイトに繋がります)。 イスラエルとガザ、長く争いの続くこの二つの「国」。2020年代のイスラエルによる破滅的なガザ侵攻は苛烈で、SNSの浸透により、リアルタイムで、剥き出しの現実の映像が世界に配信されています。僕も、今でもこうしたニュースにはアンテナを高くしているつもりですし、そうした中で目の前で人が死に、侵略されていく姿を目にしてます。 この作品のチラシを目にしたときに、必ず見に行こうと決め、近くの「出町座」のスケジュールを確認していました。ようやくそのチャンスが訪れ、授業前に見に行ってきました。この映画を見ようと思ったのは、撮影陣にユダヤ人ジャーナリスト、ユヴァル・アブラハームが参画していること、ユダヤ人がパレスチナで撮影していること、残酷な描写が多いはずだけど、ユダヤ人の中に残る良心、言い換えれば、一抹の希望が見える作品であるだろう、と思ったからでした。 ずいぶんニュースに触れてきたことを自負していましたが、この映画の映像はあまりに凄惨で、胸を締め付けられるシーンが多く、鑑賞中に頭が真っ白になるようなシーンがいくつもありました。舞台となるマサーフェル・ヤッサを侵略する軍隊や入植者による破壊と二人のジャーナリストと、デモ隊の衝突、圧倒的な武装を誇る軍隊による無慈悲な発砲…あまりに理不尽ないくつものシーンは衝撃的です。そして、何より、人間の一番汚い部分を隠そうともせずに、獣性むき出しなのは、圧倒的な資源を持つユヴァル以外のユダヤ人であり、ユダヤにも関わらずガザに寄り添おうとするユヴァルを、ユダヤ人であるが故に責める被害者の男性は、よほど追い詰められているのにも関わらず抑制的で理性的で、「ディベート」と言い、ユヴァルもそれを受け入れる。もはやどちらが追い詰められているのかわからない。 この作品は「「イスラエル人とパレスチナ人が、抑圧する側とされる側ではなく、本当の平等の中で生きる道を問いかけたい」という彼らの強い意志のもと」製作された、という。(公式Website「ストーリー」) 様々な意味での理不尽さを突き付けられ、そのうえで、この映画のあらすじを見返すと、こんな一文が目につきます。被抑圧者...

【フィールドワーク】セネガル人と日本語学習

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  ハサイドを朗誦する コロナ禍最中の2021年。海外調査が限定的となり、再開した「在日アフリカ人」の調査研究。日本に住むアフリカの人びとを対象とした研究は、私の指導教官でもある和崎春日先生によってはじめられました。私自身は、と言えば、2007年、2008年ころまではあるアフリカ系の方が起こした国賠訴訟に関わりながら調査を進めたものの、以来アフリカでの調査に専念していたため、10年ほど時間が空いてしまいました。 研究の本筋の話は、下にある「最近の研究」をご覧いただくとして、少しずつ関係性が強くなってきたセネガル人コミュニティとのメンバーと一緒に日本語教室を始めました。参与する中で日本に来たばかりの方が日本語で苦労されていること、また、男性についてきた女性や子供たちが日本語習得で困っていることなどの状況を知るに至り、私の方から申し出ることにしました。同じ時期、所属校で親しくさせてもらっている若手職員が 日本語教師の国家資格 (登録日本語教員)を取得したとのこと。セネガル人コミュニティの日本語習得状況を話しているうちに、日本語を教える練習がてら…ということで、講師役を引き受けていただけるとのことになった、という、幸運も重なったという背景もありました。 そんなわけで今年1月から少しずつ始めた日本語教室。幸運にも、学内の予算も取れ、若手職員の人脈でボランティアの方にも応募いただき、5月後半から毎週開催にこぎつけています。一応、調査の一環ではありますが、少しでもお役に立てればよいと思っていますし、なかなか交流を持てない人たち同士が交わり、お互いの理解が進むとよいと思っています。 在日セネガル人の研究、公刊の度にお知らせしていますが、改めてご紹介しておきたいと思います。 ■ 最近の研究 「 宗教的な結節点をつくる:在日セネガル人コミュニティの新たな展開 」(日本アフリカ学会第62回学術大会発表資料、2025) 「ムーリッドを中心とする在日セネガル人の 民族誌的研究序説」  (『インターセクション』Vol2、2024)

大文字山登山

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  職場の同僚に誘われ、朝からトレッキング。家族の朝食を用意し、洗い物をし、大急ぎで準備していざ。 今回は蹴上から大文字山を抜け、銀閣寺に降りてくる、というルート。大文字山は家族と銀閣寺ルートから登ったことがありますが、蹴上からは初めて。 運動不足のおっさんには不安でしかありませんでしたが、何とか踏破。朝7時に待ち合わせ、たっぷり3時間半をかけて歩き、帰りに出町柳でいろいろ用事を済ませ、お昼を食べて帰宅。家でシャワーを浴びお仕事で、現在に至ります。ひと汗かいてまだ午前中という、なんとも充実した一日でした。 今のところ心地よい筋肉痛ですが、明後日あたり、カチコチになるんだろうな…

【日本のアフリカレストラン】番外編① Happy Kebab (クルド/トルコ料理@蕨店)

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たまにはアフリカじゃないのも載せたいので、番外編を作ることにしました。 しかし、埼玉は熱い!ぶっ飛んできている気がする。県内では、アフリカ諸国民たちが勢力争いを繰り広げ、クルド人たちはヘイトと戦い、トルコ食材店にはアフリカの人がモノを買いに来るし、何ならキャッサバを作る農家もいる。ガチンコのセネガル料理やガーナ料理が食べられ、何ならアフリカの調味料などなんでも揃ってしまう。わざわざ京都から行くのは面倒なので、本当は埼玉に引っ越したいとすら思ってきています。 さて、訪れた Happy Keban 、いろんなところにありそうな一般的なケバブ屋さんと思いきや、何とクルドの人たちが営まれている。そして、ここのところ様々なところでニュースになっているクルド人ヘイトの起こっている場所でもある。このことは、いずれどこかで書いてみたいと思います。 さて、今回もガーナ料理店を案内してくれたヒロさんと、クルド人をサポートしているヌクイさんがご一緒。詳しい方がいらっしゃる時はすべてお任せ。 はじめに前菜の盛り合わせ。この辺りの前菜というか、惣菜の多くは、「酸味」がベースになっているではないだろうか。酸味と言っても、何かのビネガーやレモン、ヨーグルトのもの。それに素材の味が絡み合い、塩味は多くの場合それほど感じない。下の写真の盛り合わせ、色味は大変美しいですよね。材料、一つ一つ確認できませんでしたが、紫のものは紫キャベツ、緑はオリーブ、白はヨーグルトとおそらくひよこ豆、後はナスなども使われていました。 この辺の料理と言えば、マメのスープ。レンズ豆のスープでしたが、よく食べるものよりも酸味が薄く、とてもマイルドな飲み口でした。 ケバブのセットにピタパン。これがこの日のメイン。肉はマトンです。あまり気にして食べたことはなかったですが、 「ドネルケバブに使われるのは、牛肉、羊肉、鶏肉です。本場トルコでは、肉汁滴る“お肉=エトゥ(Et)”、脂少なめでさっぱり味付けされた“チキン=タヴック(Tavuk)”の2種類から選ぶのが一般的です。 お肉(エトゥ):牛肉75%+子羊20%+尾脂(羊の尾の脂)5%の割合が一般的で、牛肉はモモ肉が使われます。 チキン(タヴック):胸肉もしくはモモ肉が使われます。」 『 ターキッシュエア&トラベル 』(20250610) なんだそうです。へーへーへー。 「油滴る」もお...

【日本のアフリカレストラン】⑦ アール エム アシリ カフェ アンド ダイニング@中書島(タンザニア料理)

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  「串かつ」もそそるが… ティンガティンガの看板。なかなかかわゆい。 先日、学会の資料を作りながら日本に住むアフリカ出身者の都道府県別のデータをみていたのですが、なんと、京都府はアフリカ出身者が非常に少ない。近くにウスビ・サコさんやら、関係のアフリカ出身者が多かったし、それはとても意外な数字でした。何なら、京都在住のセネガル人はゼロ、とか。 これと関わるのか明確に説明はできませんが、アフリカ研究の中心でもある京都において、実はアフリカ料理店は今回訪れた アール エム アシリ カフェ アンド ダイニング 一軒のみという、寂しい状況。以前、ある知人とご一緒させていただいて訪問を試みましたが、「予約なし」のため、店は閉まっており、残念ながら見送りとなりました。今回は、アフリカ研究仲間二人から誘っていただき、ようやく現実のものとなりました。 店内は、元々居酒屋かなんかだった店を居抜きで使っていることがよくわかるつくりだけど、なかなかきれいにされています。きいと先にお店に入っていると、友人たちがそぞろに入店する。メニューは以下の通り。アフリカ料理屋としては、標準ないし若干安め。ウガリやチャパティ、サンブーサなどなど、わくわくする名前が並ぶ。 メニュー まずは軽食から、ということで、サンブーサとマンダジを先にいただくことにする。サンブーサはサモサと言ったほうが通りがよいでしょうか。マンダジもサンブーサもインド起源、想像するに苦力(クーリー)たちが東アフリカに持ち込んだものだと思うのですが、すっかり現地化し、私がケニヤやタンザニアを訪れた際には、自国料理と言い張る人もいたほど。 サンブーサ(サモサ) マンダジ とりあえず、スナックをいただいた(私は昼ビール)後、メインの2品。ピラウとウガリをそれぞれ2人前ずつ、みんなでつつくことに。ウガリは1996年の初アフリカ以降も何度か食べていて、何が美味しいか、ということは十分に理解しているものの、ピラウは…ピラフ?ビリヤニ?の類似品くらいの認識。同行したきいも問題なく食べていたけど、帰り際に「あれ、カレーピラフ?」と言ってはいけないことを…これはレストランの問題というよりも、ピラウという料理そのものの問題なので、ここのお店は全く問題ない。しかも、きいが気が付いたのは、コメが違うこと。たしかに長粒米を使っていて、この店のこだわりの...