【フィールドワーク】セネガル人と日本語学習
ハサイドを朗誦する |
コロナ禍最中の2021年。海外調査が限定的となり、再開した「在日アフリカ人」の調査研究。日本に住むアフリカの人びとを対象とした研究は、私の指導教官でもある和崎春日先生によってはじめられました。私自身は、と言えば、2007年、2008年ころまではあるアフリカ系の方が起こした国賠訴訟に関わりながら調査を進めたものの、以来アフリカでの調査に専念していたため、10年ほど時間が空いてしまいました。
研究の本筋の話は、下にある「最近の研究」をご覧いただくとして、少しずつ関係性が強くなってきたセネガル人コミュニティとのメンバーと一緒に日本語教室を始めました。参与する中で日本に来たばかりの方が日本語で苦労されていること、また、男性についてきた女性や子供たちが日本語習得で困っていることなどの状況を知るに至り、私の方から申し出ることにしました。同じ時期、所属校で親しくさせてもらっている若手職員が日本語教師の国家資格(登録日本語教員)を取得したとのこと。セネガル人コミュニティの日本語習得状況を話しているうちに、日本語を教える練習がてら…ということで、講師役を引き受けていただけるとのことになった、という、幸運も重なったという背景もありました。
そんなわけで今年1月から少しずつ始めた日本語教室。幸運にも、学内の予算も取れ、若手職員の人脈でボランティアの方にも応募いただき、5月後半から毎週開催にこぎつけています。一応、調査の一環ではありますが、少しでもお役に立てればよいと思っていますし、なかなか交流を持てない人たち同士が交わり、お互いの理解が進むとよいと思っています。
在日セネガル人の研究、公刊の度にお知らせしていますが、改めてご紹介しておきたいと思います。
■ 最近の研究
「宗教的な結節点をつくる:在日セネガル人コミュニティの新たな展開」(日本アフリカ学会第62回学術大会発表資料、2025)
「ムーリッドを中心とする在日セネガル人の 民族誌的研究序説」 (『インターセクション』Vol2、2024)
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