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「ローマの教室で~我らの佳き日々~」

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久しぶりに映画を見に行こう、と思い立って用事をこなしつつ四条烏丸(京都シネマ)へ。 最近、「これが見たいから…」という選び方で映画を見に行くことが少なくなって、この日空いてるからなんかよさそうな映画ないかな…という選び方になってしまっているのがショボイけど、今回はちょうど学校もの。そしてヨーロッパのもの、となったら、金八先生劣化版みたいな熱血教師ものは見せられないだろうと思い、ちょっと捻くれた学校ものを期待しつつ。 ローマの公立高校を舞台に、三人の教師(校長、老教師、補助教師)を中心に、何人かの生徒(4-F)の生活を交錯させながら描かれる群像劇だ。熱血教師ものの多くのストーリーの作り方として、教師に超越的な立場を与えてしまうことが多いけど、これは【熱血=正義漢】という図式を崩すとストーリーにならないからなのだろう。この映画では、教師にちゃんと人格を与えてやり、それぞれの教師が欠陥をしっかりもっている。母親がいなくなって体育館で寝ていた男の子が風邪をこじらせて入院するが、あからさまにめんどくさがる校長、自殺を企てたり教員同士でのコミュニケーションを取らないやる気のなさそうな老教師、女生徒に入れ込むあまりつい恋心を抱いてしまう(イタリアっぽい)補助教師。もちろん、出てくる生徒たちについても多種多様な問題を抱えている。 この映画を見て、近年、日本では「教育」という学校という制度、施設を舞台にする時、描く対象はいくつかの段階に分かれるのではないかと思った。たとえば、「教育」への問いかけか、制度への問いかけか、はたまた教育現場の今を描くのか。もっとたくさんモーメントがありそうだけど、今の僕の研究に引き付けると、「教育」という人類の営みに問いかけてくれるような映画がいいな、と思った。今日の映画はその意味で面白かった。

「無事」に帰国

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すでに1週間ほどになるが、無事に帰国した。まず今のところ健康であることに感謝しなければならない。今回は、エボラ騒ぎもあったし、向こうではずいぶん下痢に悩まされ、しかも季節的に蚊が多い季節で割とたくさん刺された。蚊と言えば最近は日本でもデング熱が話題になっているが、これは西アフリカでもそれほど珍しい病気ではない。とにかく、今のところようやく時差ぼけがましになってきた程度で普通に生活がおくれている。 それにしても今回は忘れ物がひどかった。調査初日には、携帯を乗り合いタクシーの中に忘れた。半日かかって全くわけのわからない経路で友人の手元にあった。そして、もっと顔面蒼白ものだったのが、帰国後に荷物を整理していたらフィールドノートが見当たらなかった瞬間。とにかく、可能性のあるところに電話をかけまくり、確認をする。出国するときに手荷物の重量オーバーでセキュリティーで荷物の入れ替えをしたのだけど、その時?トランジットホテル?それとも、バタバタと出国してきたのでワガドゥグのホテル?最終的にはトルコ航空の機内に忘れてきたことがわかり、送ってもらった。今朝ようやく手元にノートが届き、このブログを書いている。なんとか「無事」だった。 命の次に大事なフィールドノート。今回は3か所のフィールドで調査を展開したが、ここ数年間のブルキナ調査のかなりの部分が未整理のままこのノートに書かれている。無くしたら、かなりのデータが失われることになるところだった… そんなわけでホッとした。