「徳」は世界を超えて。

【書きかけだった調査メモ。停電で仕上げきれていなかったので思い出しながら…】

クルアーン学校の調査をしているので、普段から「宗教者」にはよく接している。優秀な調査助手のおかげか、今のところ、あまりに世俗的な「宗教者」に会ったのは、1度か2度。そのほかすべての宗教者は謝礼をするにしても、顔色一つ変えず、貴重な寄進に感謝します、ととりあえずは言ってもらえる。

この日最後にお会いした方は、年の頃60歳くらいだろうか。非常に物静かな雰囲気のマラブーだった。この方、本当に珍しくきれいなフランス語を話す。ただ、儀礼的に通訳を通してだったが、大方、自分で聞き取りを行った。

その柔らかな語り口、タリベへの愛情を語るときの慈愛、「育つ」という普遍的な人間(生物)の営みの語り。演説調には決してならず、言葉が多すぎず、必要なことは話す、そんな印象を受けた。

ある程度聞き取りが終わったところで、ザカリア(調査助手の一人)がいう。「今日、あなたに会えたことがとても幸せです。もしかすると私はあなたに会うために生きてきたのかもしれません」と。カリスマ、というやつだろうか。僕も聞きほれてしまっていた。

Grand Marabous(大マラブー)と呼ばれる人はかれこれ数十人に会ってきたけど、こんなマラブーは珍しくて、僕自身、とても興味を持った。たった1時間くらいの聞き取りだったけど、この方の「徳」は文化を超えて、僕のような日本人にまで届いた。

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