『進化とはなにか』今西錦司

出張中は本が進む。空き時間に何かできてしまう日本と違って、やれることが限られる海外では自然に書物に手が伸びる。一方で、日本で読みかけたり読みそこなったり死蔵してしまいそうな本を読む機会ともなっている。

今西錦司さんという、これまた人類学の巨人。生物学から大きな枠組みでの人類学へという、京大人類学の祖ともいえるこの人については、現代のチャラチャラした人類学をこね回す僕にとっては、どうもとっつきにくい人だった。しかし、多少なりとも後学のために読まねばならぬだろう、ということで、今回の調査旅行に同行願うに至った。

食わず嫌いというのはもったいないもので、実に面白い話に満ち満ちており、あっという間に読み終えてしまった。

文化人類学を専攻している人で、まともにダーウィンの進化論を肯定する人はいない。文化相対主義は進化論への批判にまつわるものだし、特に今や社会進化論は触れずとも通れる、大前提となっているので、議論になったこともない。よって、今西錦司さんを教科書でしか知らない僕は、実に新しい発見をすることになる。ともあれ、これが議論になるのだ、ということに。今更で実にお恥ずかしい話なのではあるが。

ちょいちょいいろんなブログにも感想や要旨が書いてあるのと、ボチボチホテルの部屋を出て学会の会場に行かねばならないので、全体的に省くが、帰ったら古本屋で探してみよう、と思いを新たにしている。

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