ブルキナファソ調査(201612)にて


12月10日。パリでのシンポジウム、研究会をこなして、10か月ぶりにブルキナファソに降り立った。とにかく原稿が終わっていなくて、まったく心安らかではないが、広大の本務から離れ、いくつかのタスクが終わったことで、少し楽な気持ちで2016年最後の調査に赴いた。

今回の目的は…というか、前職の上司との話合いで、フィールドの映像化のために澤崎さん(映像作家)、元同僚の宮嵜さんを伴ってのいつもとはまた違った滞在となった。せっかく宮嵜さんが来ているので、少し話を聞きたかったし、久しぶりということもあり、非常にセンシティブな子どもの調査はさわりくらいにして、村の訪問を中心にすることにした。

あとは、昨年依頼のあった、チャパロの論文と発表のこと、以前からやろうと思っていた、スンバラのことがあり、この際なので「発酵食品」の調査の初期調査という位置づけにした。

チャパロ、といえば、チルメンガさんだろう、ということで、コングシを最初の訪問地として、到着後すぐに向かう。

チルメンガさんからは相変わらずの大歓迎を受け、1年ぶりの再会(前回は治安上の問題から、カッセーナのみの滞在だったので、チルメンガさんに会うのは実に1年ぶり)し、旧交を温める。この間にあったことを報告しあい、さっそくチャパロ。チャパロやら、スンバラやらのことを調べたい旨を伝えると、いろいろと世話をしてくれる。その日は挨拶をして、終わったが、翌日は、チルメンガさんのお隣さんが当番でチャパロを出すというので、そちらでいろいろ見せてもらうことにする。


大体これで60ℓ。もっと簡単かと思っていたら、実は1週間近くかかって作っていることを聞く。思いのほか大変な作業。



これは最後の過程で、ざるの中に残るのは、赤ソルガムの穀物片。まだこの段階ではアルコールは出ていない。このカスは、羊やらの家畜にやるそう。

この過程で濾した後の液体を釜に戻して、酵母を入れて煮立てていよいよチャパロの完成。


泡々であんまりよくわからないけど、これで完成。ふ~、いや本当に大変な作業。
そして、これができたのが、朝8時。ということは、この直後に「味見」をせねばならない…早速1ℓほど買って、みんなで回し飲む。うん。アルコールはまだあまり感じず、酸味も立っていない、甘味を感じるくらい。

コングシではこんな調査をしてから、カッセーナを回った。こちらも挨拶程度で、少し農業の話などを伺う。ちょうど、コングシがワガドゥグから北に120㎞、カッセーナ(ポ)がワガドゥグから南に140㎞と気候帯的にも多様性を担保できるので、比較対象としてちょうどよさそう。今年度で地球研のプロジェクトも終わりなので、少し新しい枠組みを考えるうえでも、収穫は多かった。

それで、一足先に宮嵜さんが出国。澤崎さんと二人での調査はワガドゥグ市内での学校の調査。どうしても聞いておかねばならないデータを聞き取る。しかし、ここでうれしい誤算。ずっと調査に協力してくれているマラブーのアマドゥさんの最近の活動について、積極的にお話いただいたことで、その後のワガドゥグ調査は結局てんてこ舞いに。実に面白い展開で、僕らが前提とする宗教観がずいぶん揺さぶられました。

今回は正味10日間の短期間で、知人2人が付き添う中での調査。「何を調べてきたんだ…」と思った人は大正解で、これからいろいろ書いたりしなければならないので、データが出せないので、こちらは申し訳ない限り。それぞれの事項はまた調査のたびに少しずつ更新していこうと思いますので、気長にお待ちいただければ、と思います。

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