映画『僕は猟師になった』出演:千松信也 ナレーション:池松壮亮 演出:川原愛子


『福田村事件』の後はなかなか映画を見る機会がない。家族で『コナン…』を見にいったが、劇場の快適な空調に爆睡。二人曰く、3分の2は寝ていた、とのこと…少し函館の絵も見たし、なんかそれはそれで満足。

そんなこんなで久しぶりにまともに見る映画。この映画は前から見たかった作品で、演出の川原さん、主演の千松さんとは、数年前に東京で行われたグリーンイメージ国際環境映画祭に伺った際の受賞作品で、明け方まで飲み交わしたことがある。

この映画、ゼミの学生たちと鑑賞した。学生たちの感想の中で目立ったのは、「いのちをいただく」というもの。我われの食べているものすべてに命があって…というものだ。狩猟は動物を捕まえ、屠殺するわけだから、動物の解体のシーンは何度か出てきて、おそらく動物を殺す、という経験のない学生たちにとってはセンセーショナルなものだっただろう。私たちの食の問題は、この映画の一つの主題だったかもしれないが、『僕は猟師になった』というタイトルから見ても分かる通り、やはり千松さんがこの映画の主役であり、彼を中心にこの映画を見るのが筋ではないかという話をした。私自身は、千松さんと千松さんの家族を見ていると、決して「世捨て人」的に山の中で自活をしているわけでなく、都市と山の境界線に住まい、現代的な生活をしながら猟師としても生活を送る極めて現代的なライフスタイルを実現している様に着目した。ずいぶん見え方が違うのだな、ということを実感させられた。

映画なんて色々な見方があって、それぞれが面白い、と思うように見ればよいと思うし、学生の見方は一面で新たな一面を拓いてくれるが、映画や映像を見る、という練習も必要なのだ、ということも実感したのであった。

この作品は、淡々と話が進んでいくのだけど、一つ一つのシーンに意味があり、噛めば噛むほど味がでる良作だと思う。多くの方に見ていただきたい作品である。




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