IS首領殺害後のブルキナファソのテロ報道の展開




Burkina24_20191120
相変わらず何かとざわついているブルキナファソの治安状況。ニュースを眺めていて少し気になったことがあったので、ちょっとメモしておこうと思う。

10月27日のニュースでトランプがISの指導者バグダディを殺害したことを発表した(BBC, 20191027)。中東のISと西アフリカのISがどれほどのつながりを持つのかは、おそらく知る人は少ないと思うのだけど、少なくとも、アメリカが、自分たちに連なる重要人物を殺害した、ということは、とても象徴的な出来事であったと考えられるし、間違いなく何らかの形で影響がでるだろう、と考えていた。案の定というか、その後の事件の状況を見ていると、10月27日以降、今日までですでに10件の殺傷事件が、特に北部、もしくは、欧米諸国の重要拠点で起きている。その前の1か月だけで見てみると、5件の殺傷事件が報道されていて、単純に倍になったことがわかる。ニュースを読む限りでは、正体不明の殺傷事件というよりは、むしろ、バグダディ氏殺害の影響とみた方がよいように思う。

そして、時を同じくして、興味深い別の動きがあった。これは、ちょうど在ブルキナファソ日本大使館が危険度を更新(2019年11月15日)し、レベル2のエリアを拡大した翌日から起こっている。日本の危険度変更がそれほど影響するわけではないだろうが、それから3日間の間に、「テロリストを撃退した」という論調のニュースが立て続けに報じられた。おそらく、実際にそうだったのだろうし、ジハーディストの動きがある程度把握できるようになったためか、もしくは、仏米の後方支援やマリとの共同戦線が機能したことによるのか、もしくは、こうした報道ばかりを流しているだけなのか…

しかし、いずれにしても、トランプの支持率回復だけを見こしたバグダディ殺害は、良い影響はなく、西アフリカの状況は少しずつ泥沼化しつつあることは間違いなさそうだ。

(20191127更新)
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