想田和弘監督『牡蠣工場』2015年@大竹財団会議室

映画.com(https://eiga.com/movie/83643/photo/)より
3年越しでようやく見ることができた『牡蠣工場』。実は想田映画を「劇場」で見るのは今回が初めてです。

岡山県牛窓(瀬戸内のエーゲ海というらしいが…)の牡蠣工場を舞台としたこの映画。主に渡邊さんという、もともと三陸で牡蠣の養殖をしていたが、震災の影響で宮城から岡山に避難してきた方が中心的に描かれる。渡邊さんは、牛窓の牡蠣工場を継ぐことになっている。この地域も過疎の影響を受け、どこの工場も人手不足。その人手不足を補うため、中国をはじめ、アジア諸国から出稼ぎを受け入れている。渡邊さんのところでも、中国人の出稼ぎを受け入れることになった。

とあらすじめいたものを書くと、なんかチンケな話だけど、そこは観察映画。さまざまな「今」が見えてくる。震災のその後、過疎問題、一次産業の人手不足、今のご時世の文脈で言えば「差別」の問題等々。145分という長い映像だが、トピックはいくつもでてくる。ポスターには「過疎の町にグローバリズムがやってきた」として、グローバリゼーションが前景化されているが、別のテーマであるといわれても、いかようにも取れる。これが想田監督が言う、オーディエンスに解釈を任せる、というものなのだろう。ある景観を形成する要素や、その切り口は一つだけではないのだから。

蛇足。つい最近のこと。東京のセネガル人の集まりに呼ばれて、ゴハンをごちそうになりながら、カメラを回すことになった。僕にとっては、一部調査ということもあり、いろいろ話を聞きたかったのだけど、カメラに気を取られて全く調査にならない。ノートにメモできないことがこれほど不安だとは…もちろん、この手法に慣れた想田監督だから、比べても仕方ないのだけど、観察しながら映像を撮るというのは実に難しい。



コメント

このブログの人気の投稿

ブルキナファソで非常事態宣言

祝刊行!『ブルキナファソを喰う アフリカ人類学者の西アフリカ「食」のガイド・ブック』あいり出版

ブルキナファソの選挙終了