2011年10月6日木曜日

泰然自若

相変わらず野球は楽しく、日々夕食を作りながらテレビの前で一喜一憂している。

しかし、今年は少々複雑だ。いろんな「大人の事情」があるのは仕方ない。ただ、落合監督の退任という事実については残念でならない。ファンが入らない、という説明。確かに、昨日の試合(広島戦だったけど)もライトスタンド以外はカラッカラ。なぜファンが入らないか、確かに、落合野球が手堅すぎ、派手なノーガードの打ち合いになることが少なく、野球に華がない、これは言えるだろう。あと、不景気、これも一つの理由だろう。しかし、こうも考えられないだろうか。勝利至上を追及して、ファンが勝ちへの貪欲さを失った…

「プロ野球」をどのようにとらえるか、だが、プロが高い技術を持ち、安定したプレーを見せる、これは当たり前で、その先に何があるのか。落合監督の言うように、「勝ち」があるのか。それとももっとエンターテイメント性の高い何かか。球団側の言い分に即して言えば、明らかに後者で、もしかすると、球団すら勝ちに飽きてしまったかのように思える。

いろんな事情はある。だが、退陣表明をした後の落合監督の発する言葉が日に日にしみてくる。さすがに、昨日あたりは少しくらいうれしそうな顔をしてしゃべるのかと思ったら、一言、「今のまま動いてくれればいいんじゃないかな、と思うよ」だそうだ。勝ったことへの喜びというより、8年間、実力至上主義の中で強くなった一人ひとりの選手、そして、このチームを慈しんでいるような、こんなコメントを繰り返す。初年度、「すべての選手を10%底上げすれば、優勝は間違いない」と豪語した監督の眼には、今の選手はどれくらい成長したのだろう。

「この世界は紙一枚で…」なんて夫婦揃って話すこの監督も、きっと悔しいだろうし、やり残したこともあるだろう。しかし、喜びも、愛おしさも、悔しさも、全部超えたところに落合監督の哲学があるように感じる。「泰然自若」などという言葉がぴったりくるように思うのだが。

勝負事でこれだけの流れを作り出してしまえば、もう止められない。ひいき目を差っ引いてもドラゴンズのリーグ優勝は間違いないだろう。その瞬間、監督はどんな話をするのだろう。この際、スタンドに一人もファンがいなくなるくらい勝って欲しいものだ。

0 件のコメント:

コメントを投稿