2011年2月10日木曜日

トTô: Soul Food

相当食い意地が張っているくせに(というか「ために」)ブルキナファソの食事のことをあまり書いてこなかったな、という反省の元、少しずつ食べ物の話も織り交ぜていこうかと思う今日この頃。

なぜ、食い意地が張っている「ため」と言ったかというと、写真を撮るつもりでカメラを持っていくのに、先に食事に手が出てしまう。ただ、今回は心を鬼にして、写真撮りに専念した。

ブルキナファソ、マリ、ニジェールあたりのサヘル地域の代表的な主食はトTô。上の写真がその写真。この地域を旅行した人は、もしかしたら「?」をつけるかも。ワガドゥグあたりの都市で食べるトとは、色が違う。何の色かというと、単に材料が違うだけ。都市ではメイズを使うので、色は真っ白。東アフリカのウガリを思い浮かべれば、さほど違わない(食感はずいぶんちがうけど…)

そして、これがソース。ブルバカBoulbacarと言われる葉っぱをトマトやらと炒め煮して作る。トに合わせる代表的なソース。これ以外にも、ゴンボ(オクラ)のソース、バオバブのソース、オゼイのソースなど、代表的なものはいくつもある。ただ、粘り気と見た目から、どれがどのソースかを見極めるには、少々経験を要する。

この日、食卓を用意してくれたのは、Zakariaさん。パリのIさんの縁の人で、昨年あたりから、調査やらなんやらとずいぶんお世話になっている。以前、お宅に伺ったときに、お昼ごはんで出してもらった食事がやたら美味しく(そして、体に優しい!)、今回のわがままを聞いてもらった。
話の行き違いがあって、先に食事をいただき、買い物を後から付け足す、という段取りになったけど、まあ、そこはご愛敬。1から10まで全部見せてもらえた。
テーブルにのっているのは、左手前からソース、ト、バーベンダ、チキンスープ。バーベンダ、と言うのは、バーベンダという葉っぱを遣ったおかゆみたいなものだと思っていたが、この日教えてもらった限り、最近は、これを主食としてではなくて、トに合わせることもあるらしい。Zakariaさんの奥さんは、お米をほんの一握り入れた程度。その代わり、ラッカセイを割とたくさん入れていて、バーベンダの葉っぱの酸味とラッカセイのコクがでていて、トにもしっくりくる。
何より、この日のポイントは、ソルガムのト。ワガドゥグでは、最初に書いたように、真っ白なトが主流で、実は僕も今まで一度もソルガムのトを食べたことがない。酸味のきいたウイロウみたいで、スルッと滑っておなかにたまらないので、実は、メイズのトは進んで食べることはない。しかし。ソルガムのトは、穀物を食べている、という感覚になるほどに、力強く、歯ごたえもあり、力が付きそう。そして、何より、「味」がある。以前、Tanpongaで食べさせてもらったミレットのトもそうだったが、ソースなしで喰え、と言われても特に文句はない。それくらい、きちんとした味がある。
それにしても、不思議なのは、ブルキナファソの主要作物のミレットをワガドゥグであまり食べないのか。僕もここの滞在は相当長くなったが、ミレットやらソルガムやらのトを食べたのはごくごく最近。Zakariaさんはこんな説明をしてくれた。
ミレット、ソルガムの値段が高い。これは相対的になのだが、海外から入ってくるメイズが極端に安く、国産のミレット、ソルガムは需要が減ってさらに高くなった、と言う。ここの米も似たような現象があって、タイ、ベトナム、中国あたりから入ってくる米は安くて「うまい」。当然のことながら、都市の人たちは特にこちらを好み、そして、供給過多になった米は隣国へ。トコロテン方式というわけだ。
しかし、これは本当にもったいないな、と思った。米が日本のソウルフードなら、このあたりのソウルフードは間違いなくト。日本人の米食離れが叫ばれて久しいが、ブルキナファソでは逆に米偏重の傾向があるらしい。でも、メイズのトはどうでもいいけど、ミレット、ソルガムあたりのトは本当に滋味豊かだ。Zakariaさんも言っていたが、おカネがあれば、こちらを喰いたいと。ただ、値段はメイズの倍近い。そういえば、僕もずいぶん安い米を買っていたことを思い出す。実家に帰るたびに、農家からもらったお米を食べさせてもらうたびに、「うまいな」と思う。
ソウルを保つのは難しい。

2 件のコメント:

  1. 私のブログへのコメントありがとうございました。ソルガムのト、うまそうです。コメントの返答もさせていただきました。写真、きっと教材で使わせていただくことになると思います。よろしくお願いします。

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  2. >Katabira no tsujiさん
    ちょっと毒々しい色ですよね…
    写真、どうぞお使いください。「おいしそう」と言う人が何人いるか楽しみです。

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