「ニジェール共和国における伝統教育と社会 ザルマ社会のイスラーム教育」. 大塲麻代編 『多様なアフリカの教育-ミクロの視点を中心に-』. 未来共生リーディングス, Vol.5. 大阪大学未来戦略機構第五部門


昨年お声掛けいただき、執筆した論文「ニジェール共和国における伝統教育と社会 ザルマ社会のイスラーム教育」が掲載された本が出版されました。先行して出た『アフリカ学会』の「学界通信」に出した論文のデータが厚いバージョンになります。

ニジェールの首都ニアメから100kmほど東の村落で伝統教育(クルアーン学校)を中心に、多少近代教育機関との比較や、クルアーン学校の社会的機能について書きました。僕はアフリカの近代化は致し方ない流れだと思っている一方で、それでもそこに残る伝統的なものにより興味があるので、この調査はやっていて楽しかった。彼らの移動経路やら托鉢行脚のような慣行も聞いていてとても面白かった。

今のプロジェクトが始まってから3回ほどの調査で得た情報をまとめたもの。プロジェクトの仕事のエフォートを考えると、これだけで学会発表に学会誌に共著1篇となかなか効率的に成果発表ができた。ニジェールはまだこの先何年もいけないだろうし、これはこのあたりで一旦けりをつけることになりそう。しかし、ようやく広域調査が終わり、これから参与観察…と思っていた矢先のこと。最後の調査でその次から入る村を決め、生徒の親数人にも声をかけて準備が整いつつあったタイミングで、これから本当に厚いデータが生まれてくる期待もあり、この辺はとても心残りだ。本当に一つの区切りとして、これだけ出せたのはよかった。

ニジェールの子ども、教育関係はそんなわけでこれでおしまい。あとは農業ネタがいくつかあるので、なんとか吐き出せるだけ吐き出したい。

ちなみに、万が一、読んでいただける方がいらっしゃれば私のパートに関しては何とかしてお送りするなりしますので、コメントでもメールでもご一報くださいませ。

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