【町内会】⑤ 地蔵盆2025

 


現在の住まいに落ち着いたのは、まだまだコロナ禍真っ只中の2020年10月のこと。2021年には町内会の方と交流が生まれ、早くも2023年に町内会の役員となったのですが、その初仕事は「地蔵盆」をご一緒することでした。京都の人間ではない僕にとっては、名前を知っているくらいで、なんとなく地域のお祭り的なものと認識していた程度です。

地蔵盆とは、京都など近畿地方を中心に行われる、町内の地蔵菩薩の縁日(8月23日、24日らしい)に行われる子どもたちが主役の行事のことですが、なぜ、「子どもの祭り」かと言えば、お地蔵さんが子どもの守り神として信仰されてきたからなのだそうです。別に町内会に地蔵が一体しかないわけではないのでしょうが、多くの場合、町内会単位で行われており、コロナ前(平成25年)には、京都では全体の8割の町内会で地蔵盆が行われている、という統計もあり、五山送り火の後の夏の風物詩となっています。(京都市文化市民局文化財保護課京都をつなぐ無形文化遺産」

運営側に立ってみて、お祭りを維持することはなかなかに難しいことを実感させられます。やることは、お地蔵さんの掃除、近くのご住職に読経してもらい、出店やらへと流れていく。うちの町内はまだ子供の数は少なくない方なのですが、あんまり人が集まらないのはいたしかたなしか。とにかく夏が暑くなったことで、お年寄りが出にきにくくなった、というのも祭りが難しくなった背景にあると言えるでしょう。

こうした「伝統行事」が根強く残る京都ではありますが、近代化の波には逆らえず、お地蔵さんがなくなってしまったりし、地蔵盆自体が成立しないところもあるようです。祭りはするためにお地蔵さんが必要という、もしかすると本末転倒なのかもしれませんが、お地蔵さんの貸し出しの仕組みもあるそうです。貸し出し地蔵」とか「出開帳」というシステムなのだそうです。

地蔵盆というお祭り自体は、平安時代にさかのぼるらしいのですが、現代的には、町内の結束を強めるためのお祭りになりつつあるようではあります。ですので、いかに町内の方が参加しやすいか、という力学が強く働いています。私の町内でも、あまりに暑い近年の夏の気候を配慮し、昨年からはお詣りを朝方に済ませ、イベントを夕方~夜にかけて行う、という方法に変更しました。理事会でも、他の町内会の例が紹介され、かなりこの方法をとる町内会が増えているようです。

地蔵盆が終わってもなかなか秋は遠かったですが、これで子どもたちの夏休みが終わりが見え、新学期を迎えます。夏の終わりの風物詩でした。


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