今度は「正社員が確保できない」とな?

また産経新聞に、今度は正社員確保できない」人手不足の企業増加 厚労省調査」という記事が出ていた。殺人事件や事故などのような、突発的なものでないだけに、センセーショナルな印象はなく、少子化や高齢化社会、教育の問題など漠然とした社会問題と複雑に絡み合い、この問題が起きる理由はなかなか理解しづらい。

この記事を取り上げようと思ったのは、別に読んだ記事で、非正規雇用が4割を超えたというのを見たからで、正社員が足りないのに、なんで非正規雇用が増えるのか、という矛盾からだ。たぶん昨日の記事の論点は、「正社員」になろうと必死な大学生と、名目上、就活が主たる業務ではない大学生の学生期間をどのように保障するか、また、経済界の大学生へのまなざし、このあたりの絡み合いにあった。こういうストーリーを読んだ後では、なぜ企業が「正社員」を確保できないのか、というところに疑問をいだく。少しこのあたりを考えてみたい。

たとえば、もうこう言われるようになって久しいが、終身雇用制が崩壊し、また、若手の社員が軽やかに転職していき、人材が会社に蓄積しないこと。また、転職の際に、非正規雇用になる人が増えた(僕もこの口)、こういうことが考えられる。

これも先日どこかで見聞きした話だが、フリーターという言葉が出てきた当時は、「何ものにも縛られない自由人」のようなイメージがあったという。たしかに、僕が大学生のころまでは、微妙にそんなニュアンスで語られていたように思う。しかし、現在のフリーターは、完全に社会的弱者で、まさに「正社員」になれない人たちのイメージが強い。

では、なぜ非正規雇用が増えるのか。雇用側の問題として、一つに相変わらず新卒志向が強く、絶対数が確保できないこと。もう一つに日本社会が復活のしにくい社会であることがあげられる。確か、この点に関しては政府や行政も一生懸命解決しようと方策を講じているはず。正規雇用したら、補助金が出るという自治体もあったように思う。

もう一つ、被雇用者側に原因があるとしたら、これは何なんだろう?やりたいこととマッチしない?その立場が心地よくて正社員に応募しない?実は正社員でなくても生きていける?雇用側の理由に比べると、「困っているはず」の人が、目の前のエサに喰らいつかない、という合理的な理屈では理解できない。アフリカの事例に向き合ってきた者として、こういうときに想像してしまうのが、伝統的規範や、まったく違うコンテクストで競合するため、という図式を描きたいのだが、それもよく分からない。捉えどころがない。もちろん、こうしたことはとても個別的で、一般論に昇華してしまうこと事態に問題があるので、ひとつひとつの事例を丁寧に見ていかねばならないのだけど、うまく再配分できないのはなぜなのだろう?

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