第52回アフリカ学会@犬山国際観光センター 2015年5月23日-24日
少し気が早いですが…と言いたいところ(もっと時間が欲しい)ですが、5月23日、24日にアフリカ学会が開かれます。2年ぶりくらいのアフリカ学会での発表です。
科研費(若手B)で2度に渡って行ったブルキナファソでのストリート・チルドレンの統計調査の結果報告をします。人類学を専門としている研究者が統計調査のデータのみで発表するというのは少々チャレンジングな気がするのですが、こうした統計調査のリタレシーを高めるためにも、いい発表になるのではないかと思っています。
アブストラクトはそろそろ公開されるはずですが、こちらに一足早くアップします。
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科研費(若手B)で2度に渡って行ったブルキナファソでのストリート・チルドレンの統計調査の結果報告をします。人類学を専門としている研究者が統計調査のデータのみで発表するというのは少々チャレンジングな気がするのですが、こうした統計調査のリタレシーを高めるためにも、いい発表になるのではないかと思っています。
アブストラクトはそろそろ公開されるはずですが、こちらに一足早くアップします。
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ブルキナファソにおけるストリート・チルドレンの季節移動に関する一考察
-2度の統計調査より-
清水 貴夫
総合地球環境学研究所
Street-children’s seasonal mobility in Burkina Faso: From
the results of statistic researches
Takao SHIMIZU
Research Institute for Humanity and Nature
ブルキナファソにおけるストリート・チルドレンの統計調査は、いくつかのNGOを中心として2002年(enda)、2006年(UNICEF)、2009年(KEOOGO)の3回にわたって行われた。その数は、2009年の調査時にブルキナファソの首都ワガドゥグ市に約2,100人が存在するとされている。これらの調査で明らかになったのは、この他にストリート・チルドレンの総数や民族構成、宗教構成などのデータであり、約2,100人のストリート・チルドレンの一連の特性が浮かび上がらせている。一方で、こうした数量的データ以外にも、日常的に子どもたちに接するNGO職員の経験的に見出された特徴もある。それは、子どもたちの高い移動性であり、その移動性の一つの説明原理として挙げられるのは、村落部が繁忙期となる播種期(5月~6月)から収穫期(10月~11月)には子どもたちが村落部に帰り、閑散期となる乾季(11月~5月)には村を離れることということである。すなわち、NGO職員の語ることが真実であれば、雨季にはストリート・チルドレンが減少し、乾季には増加するということであり、ここに焦点化した調査を行えば、数字にもこの特徴は表れるはずである。
こうした背景に基づき、発表者は2014年3月と7月の2度に渡って実施したストリート・チルドレン統計調査を行った。本発表では、この統計調査の結果から明らかになるストリート・チルドレンの移動性を示す可能性のある基礎的な資料を提示することを第一の目的とし、加えてストリート・チルドレンの寝所と民族関係、民族的偏差などのデータを2009年のものと比較して分析していく。
統計調査では、乾季(3月)に約350人、雨季(7月)に約220人のストリート・チルドレンの存在が確認できた。雨季には乾季に比べて約30%の減少がみられ、上段の仮説には一定の有意性が認められる。しかし、こうした季節間の変位には、警察による身柄の確保やNGO活動を通して行われる帰村促進活動の成功といった別要因の可能性も考えておかねばならない。しかし、雨季の質問票に設定した「ストリート生活を送るうちで家族の元に戻ったことがあるか」という質問に対して、半数以上の約56%(n=219)の子どもたちが「戻ったことがある」と回答し、さらに多くのストリート・チルドレンが農村の家族の手伝いをその理由として挙げている。
こうしたことから、ストリート・チルドレンが、必ずしも地縁・血縁関係から疎外され、無縁のストリート空間に取り残された存在としてだけではなく、ブルキナファソの地域社会のリズムに連動した移動性を持つ存在としてもとらえる必要があることがわかる。
Enda tm jeunesse action,(発行年不明) Talibés au Burkina Faso de
l’étude à l’action, JEUDA117
UNICEF, 2006, UNICEF Annual Report 2006
Somé, Maurice, 2009, Etude Quantitative et
Qualitative sur les enfants en situation de rue dans la
ville de Ouagadougou, KEOOGO
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