TICAD・アフリカ学会:産官学とは言いますが…

 



5月17日、18日の両日に開催されたアフリカ学会が終了。先日ブログでも紹介したように、和崎先生らと共にフォーラム(分科会)を組織し、会期中はこのメンバーとひたすらにディスカッションをし、非常に濃厚な時間を過ごしました。

いろんなところで言っているので、このブログのどこかにも書いたのではないかと思いますが、TICADが行われる年の学会くらいは、TICAD、学会が連動してもいいのではないかと思います。結局行けなかったのですが、公開シンポが「社会実装」を謳っているのであれば、意図的にシカトか?!と思ってしまう…TICAD「東京国際アフリカ開発会議」の「開発」が経済のみならず、相互の文化・技術交流なども含みこむのであれば、アフリカ学会は非常に象徴的な学会のはずですし、学際研究としての地域研究は多様で複合的な視点からアフリカを分析していて、間違いなく重要な知見が数多くあるはず…TICADが始まって約30年間、両者は一度もオフィシャルに協働したことはなく(私も何度か「サイドイベント」を組織したことがあります)、これは政府・行政は学術に目を向けてこなかった、ということの証左ではないでしょうか。逆に、学問の独立性はともあれ、学会自体が「社会実装」(最近この言葉があまり聞かれなくなったような気がしますが…)を本気で考えているのか、という辺りも疑問。

国威発揚のために、積極的に働きかけるべきとは毛頭思いませんが、日本のアフリカ研究は、世界的に長い歴史と多くの業績を残している学会です。学会員も1000人ほどおり、地域研究学会としては、異例という話も聞いたことがあります。とある知人が「発表もせずに、知識の搾取ばかりですいません」などとおっしゃっていましたが、「知識の搾取」でもよいので、政府・行政の方は一度見に来るべきだと思いますし、それなりの専門知識をベースにして政策を積み上げるべきだと思います。そして、「産」も然り。きっと、ビジネスのタネや人材が多く眠っているはず。そして、長い目で見て、こういう学会に時間もお金も投資すべきではないかと思います。

そんなわけで、TICADの度に恒例となるつぶやきですが…


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