【日本のアフリカレストラン】⑦ アール エム アシリ カフェ アンド ダイニング@中書島(タンザニア料理)

 

「串かつ」もそそるが…

ティンガティンガの看板。なかなかかわゆい。

先日、学会の資料を作りながら日本に住むアフリカ出身者の都道府県別のデータをみていたのですが、なんと、京都府はアフリカ出身者が非常に少ない。近くにウスビ・サコさんやら、関係のアフリカ出身者が多かったし、それはとても意外な数字でした。何なら、京都在住のセネガル人はゼロ、とか。

これと関わるのか明確に説明はできませんが、アフリカ研究の中心でもある京都において、実はアフリカ料理店は今回訪れたアール エム アシリ カフェ アンド ダイニング一軒のみという、寂しい状況。以前、ある知人とご一緒させていただいて訪問を試みましたが、「予約なし」のため、店は閉まっており、残念ながら見送りとなりました。今回は、アフリカ研究仲間二人から誘っていただき、ようやく現実のものとなりました。

店内は、元々居酒屋かなんかだった店を居抜きで使っていることがよくわかるつくりだけど、なかなかきれいにされています。きいと先にお店に入っていると、友人たちがそぞろに入店する。メニューは以下の通り。アフリカ料理屋としては、標準ないし若干安め。ウガリやチャパティ、サンブーサなどなど、わくわくする名前が並ぶ。

メニュー
まずは軽食から、ということで、サンブーサとマンダジを先にいただくことにする。サンブーサはサモサと言ったほうが通りがよいでしょうか。マンダジもサンブーサもインド起源、想像するに苦力(クーリー)たちが東アフリカに持ち込んだものだと思うのですが、すっかり現地化し、私がケニヤやタンザニアを訪れた際には、自国料理と言い張る人もいたほど。

サンブーサ(サモサ)

マンダジ
とりあえず、スナックをいただいた(私は昼ビール)後、メインの2品。ピラウとウガリをそれぞれ2人前ずつ、みんなでつつくことに。ウガリは1996年の初アフリカ以降も何度か食べていて、何が美味しいか、ということは十分に理解しているものの、ピラウは…ピラフ?ビリヤニ?の類似品くらいの認識。同行したきいも問題なく食べていたけど、帰り際に「あれ、カレーピラフ?」と言ってはいけないことを…これはレストランの問題というよりも、ピラウという料理そのものの問題なので、ここのお店は全く問題ない。しかも、きいが気が付いたのは、コメが違うこと。たしかに長粒米を使っていて、この店のこだわりのようなものはよく伝わってくるのです。

ウガリの方は、なかなかに粗びきで強い(という表現がよいのでしょうね)ウガリ。僕が美味しいと思っているウガリにかなり近かったです。腹ペコ・ガテン系の人に持ってこいではないでしょうか。

ピラウ

ウガリ
メイン2品をペロリ。大人はよいが、きいは若干足りなさそうで、皿をなめそうな感じが…そんなわけで、チャパティをお願いして味見。これも層があって、なかなかよいチャパティ。このあたりももう少しいろいろなものを食べたいと思いました。東アフリカ料理全般、とにかくシンプルで、ゆえにきっと、作り手のこだわりがよく出るのではないでしょうか。

チャパティ

当たり前のように手で食べ始める大人たちに押され、きいも手食にチャレンジ。

今回はアフリカニストに囲まれ、当然のようにきいも手で食べることに。今まで、父ちゃんに無理やりやらされていたけど、今回は大人たちに教わって、お店のマダムにも褒めてもらって、ちょっとやる気になった模様。また近いうちに手で食べる練習をさせなければ。

タンザニアビール

なぜかエチオピアビール(大好き)

きいに良い経験をしてもらえたし、昼間からビールをいただけて、よい週末でした。今回はスワヒリ研究者のお二人が一緒だったこともあり、すべてがスムーズで、しかもいいところをいただけた感じがしました。単独できたらどうなんだろう…わざわざ予約して来られるでしょうか…よいお店なのに、アポイントのハードルが若干高いのが気になります。

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