[フォーラム]「サバンナの住まい‐ブルキナファソ・カッセーナの『伝統』と変容」(第53回日本アフリカ学会学術大会@日大生物資源学部、20160604‐0605)

さて、次の発表予定です。今度は、アフリカ学会です。一昨年が「アフリカ子ども学」の分科会、昨年が自分のストリート・チルドレン研究、そして今年はカッセーナの家屋研究の発表…他のところでは何度か発表してきましたが、アフリカ学会では今までと少し違う毛色になります。

メンバーはいつもの、小林広英先生+伊東未来さん+中尾世治さんに、中京大学にご所属で、元リトルワールドの学芸員、亀井哲也先生にコメンテーターに加わっていただくことになりました。

今回の問題は、と言ってもいつものアフリカ学会での問題なのですが、時間が短いこと。一人、約12分マックスでの調整となりますから、いつも40分くらいでやっていたものをかなり削り込んで整えないといけません。

そして、この分科会の2コマ後に、川田順造御大のご発表があり、おそらくは、そして願わくば、覗きにきていただけるのではないでしょうか。メチャクチャ怒られるかもしれませんし、エンカレッジしていただけるかもしれませんし、そもそもいらっしゃらないかもしれませんが、先達のコメントは貴重であることは間違いなく、不安と楽しみがまじりあっています。

一応、私のパートは以下のような内容です。

プログラムなどは、こちら

[フォーラムの趣旨]
本フォーラムでは、ブルキナファソ南部からガーナ北部に分布するカッセーナKasenaの「伝統的」屋敷・ソンゴ(Songo)の現在の状況を報告し、野外民族学博物館リトルワールド(1983年開館、愛知県犬山市)に移築された際の調査と比較することを目的とする。
カッセーナの家屋は、ブルキナファソを象徴する「伝統文化」として、重要な観光資源と位置づけられているものの、近年、ほとんどその姿を見ることはなくなった。本フォーラムで紹介するのは、ナホリ(Nahori)県ラングェロ(Langouerou)村の村長のソンゴの事例だが、30数年前にリトルワールドへのソンゴの移築の際して行われた、川田順造氏ら事前調査の対象となったと推定される家屋も多くがトタン屋根となり、「伝統的」家屋の多くは崩壊していた。こうした、現在のカッセーナの状況を踏まえつつ、本フォーラムは以下のような構成をとり、カッセーナの家屋をめぐる「伝統」と変容に関して報告する。

清水発表:「[趣旨説明]サバンナの住まい:ブルキナファソ、カッセーナの「伝統」と変容」
中尾発表:「屋敷の不均衡な変容:ラングェロ村の村長の屋敷の経年変化」
伊東発表:「家屋の装飾と住まいかたの変遷:カッセーナ、ラングェロ村の女性たちの事例から」
小林発表:「カッセーナ・土のイエをつくる技術:ラングェロ村の伝統住居と在来建築技術」
亀井:コメント

[本発表の要旨] 
本発表では、以上の本フォーラムの趣旨を述べたのち、カッセーナの家屋の構造を述べていく。特にソンゴの構造である。ソンゴは、カセム語で「屋敷、家屋、家族の単位、一つの屋敷を所有する社会組織」(Cassiman2006:303)とされ、カッセーナの家族を示す重要な概念である。家畜囲いとされる中庭ナボNabooには、従来、儀礼に使用する穀物庫トゥーレTouléが置かれ、イエを増築することができないとされる。すなわち、カッセーナのソンゴは、外に向かって広がっていくことが原則となる。
 しかし、このように語られるソンゴ建設の原則は、決して実態に即しているわけではない。このことを含め、のちの3発表において「伝統」と変容の一端が明らかにされる。



[参考文献]Cassiman, Ann, 2006, Stirring Life, Womens Paths and Places among the Kasena of Northern Ghana, Uppsala Universitaire Stichting of Belgium




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