From the ground

落合GM就任後、早速取り掛かった仕事は契約更改である。人の懐を覗き込むようで、よく考えたら少々悪趣味だが、1年間野球を見てきて、思い入れた選手たちがどんな評価を受けるのか、九段との間にどんなドラマがあるのか、従来12月あたりのストーブリーグのメインイベントである。

今年のドラゴンズは11月に全選手の契約を更改するという。ニュースでも大きく取り上げられたように、井端が退団し、主力選手が軒並み限界まで年俸カットされている。一野球選手を見れば、たとえば井端など、税金を支払えるのか、というわれわれには関係ないところまで心配してしまうほどで、大方同情的な気分になる。プロ野球の選手がいくらもらおうといいし、誰がもらいすぎで、誰が少なすぎるか、なんて、夢を売る商売の人たちのことで、僕らの世界とはまったく違う原理で動いているはずなので、とやかくいうことはない。

しかし、一野球ファン、ドラゴンズファンとしては、このチームがどうしようとしているのか、ということに関してはとても興味がある。その意味では、今年の契約更改はものすごく分かりやすい。落合GMの一言。「このチームは今年何位だったの?」これに集約されている。この問いは落合GM自身にも向けられる一言なのだろう。ナゴヤドーム来場者数が減少した、ということで首を切られた2年前のことを思うと、球団の最高責任者として、球団運営にも目を配らねばならない。つまり、ハッパをかけられた選手たちががんばって好成績を挙げたら、それに報いる責任は落合GMと球団なのは、僕はよく分かって今回の処遇をしていると思う。

そして、きっとこの時期に契約更改をするのは、もちろん、時間を有効に使え、という落合GMの合理主義的な発想もあっただろうけど、1球団だけが前倒すことで、マスコミの注目が集まることも狙っていたのではないだろうか。公開の禊。

だからこそのほぼ全員の減俸。10年前とは違う意味での「0」からのスタート。From the Groundなのだろう。これで強くならなければきっとうそ。来年は今年よりもいい年になることを確信させられている。

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