調査法試行錯誤

こんな適当なブログに書こうと思うくらいだから、結構適当にしか考えていないんだろう。調査法についてである。

僕は人類学を勉強していて、いわゆる「フィールド・ワーク」というのをやっている。最近、人の調査を覗く機会が何度かあり、都度とても興味深く見させてもらっている。たとえば、建築学の方は壁の厚さにずいぶん目が行っているようだったし、モノを研究している人の写真の撮り方は独特だったけど、(やはり?)コミュニケーションが苦手みたいだった。

長期短期のいずれにしても、調査など一人ではできない。たとえ、「モノ」が対象であってもである。

僕の調査地は「街」なのだが、いろんなところに入る必要性から、割かしいろんなところにゲートキーパーとなる人がいる。かれこれ5,6人は僕の調査を手伝ってくれているはずだ。当然それぞれが性格を異にしているが、家庭状況というか「家計」状況は似通っていて、定職だかなんだかわからない仕事をしながら日々口に糊している。というわけで、昨日書いたように物価が急に上がったり、観光客がモノを買わなくなってしまうと途端に干上がる。そこに僕が登場するわけだから、僕は途端にヒーローになる。カーゴカルトよろしく、天から降ってきた恵み、やつが空から舞い降りた、となる。

ところで、僕は今「クルアーン(コーラン)学校」の調査を行っている。先生の経歴や生徒数、生徒の出身地や生活状況についてである。もしかしたら、僕一人でもできたのかもしれないが、ストリート・チルドレンの調査をしている間に入り込みたかったのに、まったくだめだった。3週間、なんにも収穫なし、ということさえあった。そんな時、何人かの友人たちがそっとその扉を開けてくれた。おかげでいろんなしがらみや規則に巻き込まれることになったけど、何とかそれらしいことができるようになったのである。

今回はこの調査の続きだ。と言っても、実はまだ数か月しかこの調査をしていない、ごくごく初期的な調査である(2011年のブルキナファソの混乱で今年の1月まですっかりなにもできなかった)。ゲートキーパーとなってくれたうちの2人が相当に困っていたのも手伝い、あまり気が進まなかったのだけど、今回の自分の調査は同時に2人に手伝ってもらっている。

とても贅沢なやり方をしているのだけど、これがなかなか難しい。最終的に僕が判断を下すのだけど、2人でできることを3人でやると、いちいちコンセンサスを取らなければならず、倍の時間がかかる。確かに情報量はかなり多いし、インタビューをしていても行きすぎの部分や聞き漏らした部分のレビューはやりやすい。そして、何より、聞き取り可能な言語がずいぶん増えて、ワガドゥグでやっている分にはまず困らないだろう。ただ、もう一つの問題として、やはりおカネがかかるので、今回のように短期で集中的に聞き取りを行うくらいならいいが、長期となるとなかなか難しい。

とにかく、今のプロジェクトにいる限りはいくつかのことを摘まむような調査が続くので、この環境でのやり方、さらに試行錯誤せねば…

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