宮本正興教授退職記念シンポ



アフリカの文学研究の大御所、宮本先生が退職される。その記念シンポに行ってきた。


宮本先生がアフリカ文学の研究を始められた60年代、きっと日本のアフリカ研究はまだまだ「探検隊」の雰囲気をたっぷり残し、「未開」を知る研究が多かったはずだ。この時代の研究成果は今でも僕らアフリカ研究者にとって、とても大切なものだ。


もともと言語学を専攻された宮本先生の慧眼はこの時代の「文学」に目を向けたことだ。この日の講演でお話になった砂野先生などもおっしゃっていたが、現在の大学では文学研究は衰退している。その中で、文学に現れる人々の思想と渇望。アフリカ(に限らないが)の声を聴くには、こうしたテクストを紡ぐ力を育て、そして、紡がれた声に耳をそばだてることの大切さ。


残念ながら、宮本先生とはお話すらしたことがない。しかし、穏やかな表情で丁寧にお話になる宮本先生のお人柄が読み取れたような気がする。きっと教育者としても素晴らしい方だったのだろうな…と。


ともあれ、アフリカ研究オールスターズのようなシンポ。ちょっと得をした気分で帰宅の途に就いた。

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