ご恵投いただきました『あふりこ フィクションの重奏/偏在するアフリカ』
編者の川瀬慈さんよりご恵投いただきました。先日、執筆者の一人、ふくだぺろさんからこの本のことを少し伺っていて、ぜひ購入しようと思っていた矢先の行幸でした。
この著作は副題にあるように「フィクション」を編むという、僕らがずっと接してきた「客観的な」記述を積み重ねる書物とは一線を画する。せいぜいノンフィクションまでは、自分でやってみようと思ったが、この発想はなかった。早速読み始めているが、サイエンティストであり、アーティストである編者と著者が意識的にサイエンティストの立場から距離を取っていることがよくわかる。川瀬さんによる「結びにかえて」には、こんな一節がある。
「我々が普段身を置く、アカデミックなシステムや学問的規約の中で枯渇させたくなかったものはいったい何なのだろうか」(338)
今や、こんな瑞々しい思考すら縁遠くなってしまい、はっとさせられるのだが、アカデミックな場における自由な発想はロジックからだけでは成立するわけもなく、常にこうした柔らかい頭が必要だ。特に公務に教育に忙しくし、なかなか研究する時間のない研究者にはお勧めしたい一冊である。
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この著作は副題にあるように「フィクション」を編むという、僕らがずっと接してきた「客観的な」記述を積み重ねる書物とは一線を画する。せいぜいノンフィクションまでは、自分でやってみようと思ったが、この発想はなかった。早速読み始めているが、サイエンティストであり、アーティストである編者と著者が意識的にサイエンティストの立場から距離を取っていることがよくわかる。川瀬さんによる「結びにかえて」には、こんな一節がある。
「我々が普段身を置く、アカデミックなシステムや学問的規約の中で枯渇させたくなかったものはいったい何なのだろうか」(338)
今や、こんな瑞々しい思考すら縁遠くなってしまい、はっとさせられるのだが、アカデミックな場における自由な発想はロジックからだけでは成立するわけもなく、常にこうした柔らかい頭が必要だ。特に公務に教育に忙しくし、なかなか研究する時間のない研究者にはお勧めしたい一冊である。
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