ブルキナファソ・カメルーン調査⑤バカの集落

10月前半に敢行されたブルキナファソ・カメルーン調査の5回目。今回が最後です。

この日は、林さんにバカの集落を案内してもらいました。バカの身体的特徴として、身長がとても小さく、いわゆる、ピグミーと呼ばれている人たちで、平均身長が男性で160㎝くらい?と言っても、僕の場合、大体の場合、ほかの人を見降ろしてしまうので、あんまり強烈な印象はない。

ロミエから車で走ること30分。林さんも何度か訪れたという、バカの集落に到着する。途中で拾ったアメリカ人のNGOの方の活動地でもあるこの村で、彼女たちは識字教育を行い、我われは現場学習。

同僚の林さんにバカの村を案内してもらう
まず、家。上の写真が遊動生活をしているバカの人たちのハットなのだけど、なんか不規則に編まれているように見えるが、これはこれでちゃんと使用する葉などは決まっているそう。設営、撤収にはほとんど時間を要さず、機能としても最低限。合理的なのだな、と改めて思う。乾燥地でもトゥアレグという民族が、遊牧をしながらこんな形の家を作るし、フルベもミレットやアンドロポゴンの茎を使ってとても機用に家を作る。
森をかき分けて畑に向かう
そして、そのあと、バカの人たちの耕地を案内してもらう。林さん曰く「こんなの森じゃない」とのことですが、熱帯雨林初心者としては、完璧に森。出発前に貴一朗とトトロをヘビーローテーションしていた僕は武蔵野ではトトロの森は無理だ、と思い、あれはカメルーンでないと成立しないのではないかとわけのわからないことを考えていた。
バカの畑
森の中を歩くこと10分ほど。少し明るくなったところがバカの人たちの畑。ほかにいくつか見せてもらった畑ではプランテン・バナナ、マニオク(キャッサバ)、タロなどが所せましと植えられているのだが、この日見せてもらった畑は開拓直後だったのか、まだそれほど作物は植わっていない。

乾燥地に慣れた目には、余りに多い植生、木の太さ、濃い緑にどこを見てよいのかわからず、焦点が合わない。同じ大陸でも多様であることは、講義でも何となくしゃべっているけど、これが本当に同じ大陸かと思うと、これもなかなか実感できない、完全な異世界さを感じる。
ロミエの中心部
最後に2泊しかしていないけど、ロミエの街並みを。
ロミエの街並み
この街は東部州の主要都市のひとつで、「伐採道路」と林さんが呼ぶ道沿いにある。中心部こそなだらかな起伏がある程度だが、少し外れると坂の多い街で、小さな台地の上に乗っかっているようなイメージだ。もちろん、緑も多く、ものもそれなりにある。アザーンが聞こえるわけでもないので、それほどムスリムが多いわけではなさそうだが、毎朝朝食をとっていた店やらはムスリムだったし、まあまあ、宗教的な多様性もある。居たら居たでなかなかの街だと思う。

5回分カメルーンのフィールドノートのこぼれ話を書いたので、今回でこれはおしまい。調査自体、林さんや同行したシモン=ピエール、シャールのおかげで大変濃密なもので、来年以降始める調査が楽しみなところ。また、この先の研究でも少なからず触れていくことになるであろう、カメルーン、初回の滞在としては、とても充実したものだった。

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