ご恵投いただきました。『アフリカで学ぶ文化人類学 民族誌がひらく世界』昭和堂
アマゾンより(20191121) |
文化人類学は、その定義にかなりばらつきがあり、よって「これ」といったテキストもない。
執筆者の中尾さんと僕は、地球研の同じプロジェクトに所属している。僕らの周囲の多くは自然科学者で、中でも工学者が比較的多い。現在、プロジェクトの最終成果物として、私たちが研究してきたことを「教科書」にまとめようという計画が進んでいる。「教科書」と言った時、工学者にとっては、ある意味で「定本」、偉い先生が書くものという認識が強く、僕らはギャップを感じた。というのは、文化人類学では、ポスドクくらいの人が「教科書」っぽいものを書いてしまう。この本の編者陣は、それよりもだいぶ上の世代だけど、文化人類学の領域の中では、中堅どころの元気のいい世代と言ったところか。
この本は、このあたりを十分に理解した上で書かれていて、編者自身が、バランスのいい教科書などない、いろんなものを取り入れることでバランスをとるのだ、というスタンスに立ち、法人類学、芸術人類学、歴史、生態と多様なテーマの論考が続く。しかし、寄せ集めということでもなく、ちゃんと、それぞれの領域の古典文献に沿って書かれているあたりは、講義で使う上でも大変ありがたい。
息の長いテクストになることを祈っている。
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