「旅」について‐①


僕のところには年間に何人かから「アフリカに行きたいのだけど」という相談が持ち込まれます。最近は「調査をしたいのだけど」というものが多いのですが、以前は、「NGOで…」とか、「旅行で…」というものの方が多かった気がします。また、大学の講義で調査のことで質問を受けたり、調査をテーマとした講義を依頼されたりすることもあって、次第に「アフリカに行くこと」について考える機会が増えてきたように思います。

どれくらい僕がアフリカに行ったかというと、先日講義のために、すべての渡航を数えてみたら、すでにブルキナファソだけで30回、期間にしたら5年位です。まあ、よく行ったモノだ、と我がことながら感心してしまうのですが、最初は、最近、絶滅寸前のバックパッカーというやつでした。もちろん、バイトをしてお金を貯めて、親からお金を借りて(返してないですが…)、いかにお金を使わずに、どれだけ遠くに行けるか、というところが何度かの旅の目的でした。でも、大きなきっかけになったのは、大学生時代、勉強していることがいまいち信用できず、それに対して恩師が話してくれた、「自分の目でみてきなさい」という勧めでした。今のように、税金を使わせていただいて「調査」という形でも、NGOなどのミッションでもない、本当に自分の知的(?)欲求を充たすためだけのものでした。

相談に来た何人かは、その後実際にいろいろなところにはばたいてい行っていますし、同じ分野に進んだ人もいます。ただ、自分で何とかお金を工面して旅に出た、という人はごく一握りだったように思います。別に、こういう旅行のきっかけが通過儀礼とは思わないですが、いきなり調査やらミッション、たぶん青年海外協力隊にしても、行ってすぐに何か「仕事」らしきものはできるのだろうか、と少し疑問を持ってしまいます。この感覚は、僕がバックパッカーをしていた時のことを踏まえて調査に入った時に、何度も、「旅行しておいてよかった」」と感じたからで、相談に来られる方には、(ある程度顔色を伺いますが)「あまり目的に縛られずに、思いのままに自分の足で旅をしてみるといい」というアドバイスをするようにしています。大体、それどころじゃなくて、気が急いている人が多いので、アドバイスを聞いていただいたことはほぼないのですが。

「旅」について、何度かに分けて書いてみたいと思います。まずはその1、ふと思って書き始めたエッセイのきっかけでした。

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