『深夜食堂』(松岡錠司 監督)


機内で見た映画その2(全部は書きませんが)。

小林薫演じるマスターが営む深夜のみ営業の「めしや」(この暖簾がすばらしい)。「メニューは豚汁と酒だけだけど、できるものはなんでも作る」と最初に紹介される。この「めしや」をめぐる人間ドラマ。

先月紹介した、イタリアの似非グルメ映画に比べれば、これぞ真っ当なグルメ映画。飲み食いにのみ焦点が当たっているということではなく、空間設定のひとつとしての食堂や料理があり、そこで展開する人間ドラマや心の動き、空間が合わせているのか、人の動きが空間に溶け込んでいくのかは分からないけど、こういうつくりがよい。

それにしても、この映画も渋いキャスティング。ドラマがあるらしいけど、小話に区切り、微妙に登場人物が被っていく、この映画のつくりはそういうつくりの小説を読んでいるよう。往路の食事中に見始めたけど、少し目を落としても、ちゃんとストーリーを追えていけるのがありがたかった(機内で見る映画としては殊に秀逸)。

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