一喝

ちょっとした…もめ事。別に日本に居てもよくあることがおこる。もちろんその質は異なる。

いわゆる開発途上国で生活し、さらにその中でも最も貧しい部類の人たちを調査対象としていれば、日々物乞いに金をせびられ、ものをせびられることには慣れている。ただし、ここに住んでいる人すべてがそうか、と言うとそんなことはない。数万キロ離れた日本で「武士はくわねど…」と似たようなメンタリティにも出会うのである。

実際、ラスタのあんちゃんたちはストリート・ボーイの一類に当てはまる人たちだが、すっかり彼らから金をせびられることは少なくなった。金の無心を受けるのも、お母さんが病気になったとか、雨で家がつぶれた、と言った緊急の類だけだ。

ある人から、金の無心に近いことを言われた。その人は世の中の常識的に、私からお金をせびってはいけない人。その対処にここ数日間頭を悩ませている。

お昼。いろいろやることもあるので、事務所でパンを食べてやり過ごそう、と外へ出る。いつも道端で会うあんちゃん。20代後半くらいか…

今日はラマダン明けでお祭りをする。昨日、「明日祭りをやりたいから200フランくれないか?」と道端で言われる。「俺が祭りをやらないのに、なんでお前がやるんだ?」と冗談っぽく私は言う。そして、今日…「昨日お前が200フランくれなかったから、祭りができなかったじゃないか」

カチン。

彼は新しいサングラスをかけていた。久しぶりに体が反射的に動き、人差し指でサングラスを跳ね、

「もういっぺん言ってみろ」

自分でも怖くなるくらいドスが聞いてた。

「Excusez moi…(すいません)」

ある人にはこれくらいやってやりたい、そう思うラマダン明けの雨の昼下がり。

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