ワガドゥグ沈没①
ワガドゥグが水没した。9月1日のことである。朝3時ころから降り始めた雨は14時ころまで降り続き、ワガドゥグの街の多くで床上浸水した。シドワヤ誌Sidwayaによれば、約半日間の総雨量は246mmで、ブルキナファソ観測史上最高の雨量となった。これまでの最高雨量は、1919年までさかのぼり、ボボ・ディウラッソで降った213mmで、90年ぶりの降雨量となった。
ぼくが居候する「和が家」もひざ上まで水につかり、「和が家」前は腰のあたりまでの水量で、しかも、側溝に沿って流れは激流。オヤジ氏とともに外に出たが、浅いところでも足をすくわれそうになった。
←のこの写真が、午前10時ころの「和が家」前の様子。前の舗装道路が完全に冠水し、激流と化していることがお分かりいただけるだろう。この直前、某巨大NGOの車両が「和が家」の前にとまり、私にカメラを向けた。精一杯の憐れみを含んだ顔で「ボン・コラージュ(頑張ってくださいね)」と声をかけられる。なぜかムカついた…
そして、左が水没する「和が家」である。開店からまだ1か月もたっていないのに、今回が2度目の水没。この時で、僕の足の付け根あたりまで水があったから、80cm-90cmの深さ。
しかし、舗装道路まで行くと、とりあえず問題なく歩ける。近くの様子を見に、少し歩いてみる。すると、東西に走る舗装道路に沿って北側から南側にかけて水が集中している。事務所のある通りが心配でそちらの方を見に行った。
その写真がこれ。見えていないが、消防車が出動し、流れの中に取り残されたこのあたりの住民を救出している。中に旧知のドイツ人の家もあり、心配していたが、この人だかりの中に夫婦とも無事を確認。事務所のガードマンの安否が気遣われたが、翌日、水で押し流された壁の隙間から脱出したとのこと。九死に一生を得たという。ともあれ、大災害だったが、なんとかけが人も死者も出なかったことが不幸中の幸いだった。
この日、雨が上がると、1,2時間で水はすっかり引く。水は引いて、残るのは大量の土砂。家の中、事務所の中はブルキナファソ名物の粘土質の赤い土だらけ。「和が家」はも事務所も早速土の撤去に汗を流す。「和が家」はオヤジ氏の商売人根性により、その日から通常営業。しかし、これだけの土砂が一日で撤去できるわけもなく、2日の午前中までかかってなんとか通常業務が可能な程度に回復した。
次回に続く。
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