再び『日経ビジネス』とワガドゥグ

昨日に引き続き、『日経ビジネス』から。

マリを引き合いに、ブルキナファソのことを見てみようと思う。なぜマリか、というと、以前ブルキナに赴任している経済の専門家からこんな話を聞いたからだ。氏は西アフリカの経済を概観すれば、ナイジェリアを別にすれば、コート・ジボアールという巨大な国家があり、その少しあとをセネガルが、そこから大幅に遅れてマリがあり、さらにずっと遅れて他諸国があるという図式なのだそうだ。戦争があっても侮れないマリの国力、こんなことを言っていた。

今回の『日経ビジネス』の巻末にアフリカ各国の「1人あたりのGDP」というのが書いてあって、人口があるから、簡単な経済力の比較が可能だ。

マリ:
1人あたりのGDP:631ドル
人口:1399万人
GDP:882,769万ドル

ブルキナファソ
1人あたりのGDP:602ドル
人口:1554万人
GDP:935,508万ドル

とこんな感じだ。まず人口がブルキナファソの方がこんなに多いのに驚いたが、1人あたりのGDPでもこれほど開きが縮まっていたのも特記すべきことだ。

肌感覚としても、食堂の値段がずいぶん上がったのに、結構いっぱいになっているし、ずいぶんこの国もお金が回り始めたのだな、ということは感じていた。

また、今日も午前中ワガドゥグを回っていたけど、複層階の建物がまたこの数か月で増えたような気がする。地図を買いに行っても、2004年発行のものと比べると、縮尺がずいぶん縮まっていたり(つまり、ワガドゥグが広がっている)というところにも都市発信の経済発展が進んでいるのは間違いがない。

手前味噌だが、『日経ビジネス』には、「安定した政治 西アフリカの優等生」という評が与えられている。平和は財産、これもどこかに書いたけど、今回、ドライバーと会って最初の会話が、現大統領がまた憲法をひっくり返すのではないか、ということだった。この事情を知らない『日経ビジネス』の認識の甘さを嘲笑するのは簡単だが、今のところ、この「安定した」政権だからこそ、わずかずつではあるが、安定した経済成長が達成できていると言ってもいいだろう。

マリの成長率は‐1.2%、ブルキナファソは8.0%の成長率だ。安定と内戦を如実に表す数字だと言っていいが、この評価はもう少し後になって考えてみるべきことだろう。

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