『合併人事 二十九歳の憂鬱』江上剛


今日はだいぶ働いた。仕事も何個か終わったし、家のことも2つやったし。もちろん後いくつかの用事に追われてはいるけど、とりあえず一服。

11月の頭にあった古本市で纏め買いした小説その1(?)。

さすがに105円という小説。池井戸潤とどっちが古いか知らないけど、劣化版みたいなイメージを受けた。ちょっといやな感じを受けるのが、この作者がおそらくバブルに相当遊んでいただろう、ということ。銀行の重役さんがナンボ稼いでいる設定か知らないけど、愛人のためにシティホテルのスイートルームにバラの花をちりばめて…なんていう発想自体がバブリーだ。

この中に僕自身足しげく通っていた店が実名で出てくる。実は、おとといの夜、ちょっとそれを確かめたくて、その店のオーナーと話したら、そんなの初めて聞いた(これもどうかと思う)と。それは僕の問題でないので、どうでもいいけど、大方2005年ころの話らしい。すっかりバブルもはじけ、氷河期と言われた時期に、この設定。おカネがジャブジャブだった時代をノスタルジックに語ったつもりか…

さらに、ヨガのインストラクターの設定の主人公の女性のルームメイト(ちなみに彼女たちがすんでいるという設定になっていたのが、確か松井秀樹が巨人にいたときに住んでいたマンション…だと思う)に「癒されて」しまう、話。浮気して、仕事とプライベートを混同させて、社内の立場が悪くなって、「そんなところも受け入れて私らしく生きればいいんだ」!…少々理解に苦しむ…

先日、文学のイベントに出させてもらって、ある作家いわく、「僕の本を読んで、まったく学ぶところがなかったと言われたらとても悲しい」と。こういう文章を書いてはいけない、と言う意味では勉強になったけど…たぶんこの作者の本はもう買いません。



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