『終戦のエンペラー』(ちょっとネタバレ)


8月は戦争や平和について考える機会が多い。映画もこの前見た『風立ちぬ』もそうだし、今日見た『終戦のエンペラー』もその一つ。

個人的にはハリウッドがこの作品を作れた、と言うだけで評価するし、『風立ちぬ』よりもテーマが面白かった。配役も僕好みでなかなか見応えがあった。

戦いの果てにわかり合えるのか」という副題があるけど、これはあんまりどうでもよかったけど、たぶん当時のアメリカにしたら、日本は理解不可能な、「オリエンタル」の象徴だったのだろう。作中、何度も天皇が戦犯でない「証拠」という言葉が使われるのだけど、悉くそれはなくなっている。そして、官僚や側近の決死の証言は、天皇の戦争責任を回避するに至らない。状況証拠的に、日本人の心性がこの間を埋めていく、というシナリオなのだけど、「タテマエとホンネ」とか、割と僕らには聞き覚えのある分析がなされていく。もちろん『菊と刀』なんかを思い出すのだけど。

最終的に「わかり合える」のではなくて、アメリカが日本をいかに理解して、平和的な統治が始まったか、という、ハリウッド的に言えば日本はいまだにアメリカの植民地、という超政治的なメッセージ?と取れないこともないけど、これは十分に面白かった。

しかし、血なまぐさい戦争を恋愛劇で中和しようというプロット、『風立ちぬ』もそうだったけど、やっぱりこうなっちゃうのかな?違うのも見てみたいもんですが。

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