アフリカの交渉力

僕はいろいろなテーマで研究を進めながら、やはり「都市」という空間に一番興味があるのだと思っていて、大体何をやってもここに戻ってきてしまう。決して混沌とした中を生き抜くような力は持っていないけど、特にアフリカという地域の都市では、思いもよらない発想に出会うことが多くて、それにとても興味をひかれる。

こと近年、ますますグローバリゼーションやら近代化が進み、いい意味でも悪い意味でも人々は僕らがイメージする都市的なスマートさを備え、僕にとってはそれはあまり面白くない。確かに日本にいるときのまま付き合っても違和感を持たないし、気が楽ですらある。

今回はこれまでずっとワガドゥグで過ごしていて、ワガドゥグの役所の対応はまさに都市的で、少なくとも表面的にはスマートになったし、アンダーテーブルを要求されることもなくなった。喜ばしい、とは思っていたけど、ちょっと物足りない、と言っては贅沢だろうか。

ここ数日間でいろいろあった。もう話すのも面倒な気分になったり、怒り頂点に達するような気持になったり、理解するのをやめようとしてしまったり…実はあまりポジティブな気持ちで過ごしてはいなかった。でも、ふと気づくのは、彼らが話すことを止めないことで、それはもちろん、僕が外国人で、仕事のためにここにきていて、つまり、お金を持っているから、という部分も少なからずあるはず。でも、この交渉力、硬軟交えた話術、しかもいくつもの言語でそれができる、というのはすごい能力だな、と思う。僕がネガティブになった理由は一向に解決していないのだけど、自分も突っ張っていたことがある瞬間にわかる。時に思考停止してみて、流されて、もう一度考えてみる。僕の反射神経の鈍さもあるけど、また話を聞いてもらえると思うと、こんな風に付き合ってみるようにしてみた。考えつづけ、話し続けること、もしかしたらアフリカから学んだ一番大きな生きる術なのかもしれない。

今日は朝から雨が強くなったり弱くなったり。午前中は調査をやめてホテルで作業。雨季は都市にいてもこうして自然の流れに逆らわずに生活する。たぶん少し頭冷やせよ、っていう何かのメッセージなんだろう、と都合よく考えてみたりもする。

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