ブルキナファソ政情その7

今日から5月。件のブルキナファソ情勢は相変わらず緊迫している。

当初の小さな火種が集まって始まったブルキナファソ情勢、4月末時点でずいぶん政治色を帯びてきた、といっていた。4月30日は、野党34党がデモを行う、という予定だと伝えられ、それが実行された。消費者(≒一般市民)の行動である、5月1日のメーデー行進と共に、ブルキナファソに蠢く現政権への不満や不信感をまとめ上げる人々の行動ということで注目に値する。

しかし、RFI(Radio France Internationale)によれば(下の大使館の情報と同じソース)、「新たな動き」とし、ほとんどの野党党首が参加しながらも、さほど多くの人が集まらず、あまり盛り上がらなかったようだ。RFIの伝えるところによれば、リーダーはたくさん参加していたが、リーダーとなるべき人は見えなかった、という。つまり、このあたりの情報を収集すれば、反ブレーズ・コンパオーレの動きには違いはないが、ポスト・ブレーズ・コンパオーレがいない、という解釈が妥当だろうか。

そして、昨日、ワガドゥグの友人たちに電話をした。

アブドゥル(タクシー運転手、レンタカー業)は、すっかり外国人の姿がなくなってしまったといい、何とか生きているが、仕事がない、という。

アミノゥ(手工芸品作家、僕の調査助手)も外国人の姿が見えなくなったことを最初に述べる。そして、一般市民の足である、バイクのガソリンを買えない(おカネがない、場所によってガソリン不足)といい、益々生活がつらくなっている、という。

もしかすると、市民生活はギリギリのところまで追い詰められているのかもしれない…などと、彼らの話を聞いて思った。

後2週間ほどで、報道が報じている「イベント」が終わる。彼らは機知によって今の状況を乗り越えるだろうが、一通りの手続きの後、どのようなブルキナファソが作られていくのか。益々注目したいと思う。
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一連の事件に関し,29日から30日までの事件経過をお知らせいたします。
明日5月1日午前8時30分より市内中心部でメーデー・デモが行われます。平和的に行われる予定ですが,混乱が生じる恐れも排除できないため,市中心部には近づかないようにお願いします。

●政府の動き(29日(金))
(1)バソレ外相は,各国大使・経協機関代表との第2回会合を開催。前日のティアオ首相の発表した緊急対策についての協力を要請。外交団・経協関係者の安全を確保するための憲兵隊特別部隊の設置を発表。

(2)コンパオレ大統領(国防相兼務)は,軍幹部との会合を持った。大統領は「軍幹部は,兵士の一部が国軍にとっても社会にとっても大きな不安を作り出してしまったことを認識し,このような状態を正し,新しい基礎から出発する必要があることを理解した。自分はそれを実現するように命令を下した。軍幹部はこのような無規律の状態に再びならないように真剣に取り組み,状況は改善すると確信している。」と述べた。

(3)ブグマ国土行政・分権化・治安大臣は,2日間にわたる警察官との協議の結果,警察官は威嚇発砲を行い,市民へ不安を与えたことを謝罪し,もう威嚇発砲をしないことを約束したと発表した。

●マンガでの学生によるデモ行進
(1)29日(金),マンガ市で前日(28日)に発生した警察官による威嚇発砲により,11歳の女子生徒が(空に向かって打った銃弾が落下した)流れ弾によって負傷し首都に緊急移送されたことに抗議するため,学生が同市警察本部にデモを行い,警察は威嚇発砲と催涙弾で対抗。警察本部が焼かれ負傷者が数人発生。

(2)30日(土)午前,首都に緊急移送された少女は死亡したことが発表され,ブグマ国土行政・分権化・治安大臣は国民に謝罪するとともに,少女の搬送先の病院に行き親族に謝罪した。

●野党連合による集会
(1)30日(土)午前8時から昼頃まで,市内中心部に位置する国民広場で野党34党の連合の集会が開催された。参加者は数百人程度(フランス国際放送の報道)であり極めて低調。フランス国際放送(RFI),FRANCE 24で,野党連合の集会に労組も合流するとの報道があったが,労組は野党連合の集会へ参加せず,予定どおり明日5月1日にメーデーの行進を市内中心部で行う予定。

(2)野党連合の集会後,参加者の一部は上述の少女の死亡に哀悼の意を表明するため,少女が亡くなった病院まで行進し,病院近くでタイヤを燃やし抗議したが,特に混乱は生じなかった模様。

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