ブルキナファソ政情 その9
ここ数日間も特に暴動等の報告はない。ビン=ラディン師殺害に対する報復も見当たらない。
今日も大使館の情報から。
こちらを見ると、ティアオ新首相指導の元、着実に問題解決が進んでいるようだ。昨日の大使館情報では、物価高騰に対する措置、すなわち、食料、生活必需品の値下げが政府補助金などによって実現しそうなこと、暴動で損失を被った人たちへの補てんなどが決まったことが報告されている。
情報筋の見込みでは、今週末5月14日の公務員(軍隊?)が分岐点になるのではないか、とのこと。
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1.ブルキナファソ全土で平穏が保たれており,威嚇発砲・暴動等が発生したとの情報はありません。
2.ティアオ新首相が今次社会危機解決のため4月28日に発表した緊急対策の進歩状況につき,工業・商業・工芸省は生活必需品
の価格に関する措置を発表したところ、概要以下のとおりです。
(1)各生活必需品の価格
● 輸入コメ(破砕米25%を含むもの)
16,000 CFA/50kg(政府緊急対策前の市場価格は18,000CFA~23,000CFA:11%~21%価格減となる)
輸入業者の希望卸売価格16,975CFA/50kgと消費者団体希望小売価格16,000CFA/50kgの差額975CFA/50kgは政府が輸入業者
に補助金を支給する。
● 地元産コメ
15,000 CFA/50kg(政府緊急対策前の市場価格は18,000CFA:17%減)
政府は食糧安全保障管理公社(SONAGESS)と実施方法を決定する。
● 砂糖
650 CFA/kg(政府緊急対策前の市場価格は850CFA:24%減)
政府は砂糖の一時的輸入を認め、砂糖公社(SN-SOSUCO)の保護策を検討。
● 食用油
825 CFA/kg(政府緊急対策前の市場価格は1,100CFA:25%減)
政府は、CITEC(製油企業)の便宜のため綿種購入価格を引き下げる。また、一時的にUEMOA域外からの食用油の輸入を許可する。
● 地元産穀物
市場価格の通りとする。
昨年の価格に比べ、今年の市場価格は低下傾向にある。ただし、SONAGESSは脆弱な生産地においては農家に有利な穀物購入
価格の維持を図る。
● パン用小麦粉
パン価格に見合った小麦粉価格に関する協議を行う。
● 乳製品
必要な情報が不足しており、近々調査を行い適切な価格体系を関係者と協議する。
● 石けん
市場価格の通りとする。アビジャンからの鉄道輸送が正常化しつつあり、価格は下落する見込み。
(2)実施要領
● 公定価格は9日から実施され、当面3ヶ月間実施される。3ヶ月後に消費者団体、輸入・卸売・小売り業者団体、政府の三者機関
で評価を行い、次に執るべき措置につき協議する。
● 公定価格は、ワガドゥグ市、ボボデュラッソ市で適用され、右2都市以外の地方においては公定価格に輸送費を上乗せした適切な
価格を設定する。
● 公定価格・量が遵守されているかは国が監視する。独占の問題、地場産業の保護、大規模購入センターの設置等についても議論
を深める。
3.10日付シドワヤ紙は、ベンバンバ財務経済大臣のインタビュー記事を掲載しているところ、概要以下のとおりです。
(1)4月15日の軍兵士による略奪被害者への救済
被害者への損害賠償が基本原則であるが、経済活動を継続できるように支援することを重視。5つのカテゴリーに分けて対応。
● インフォーマル・セクターの小商人(携帯電話、屋台販売、果物野菜商等)
被害額は少額であるので、被害額に応じて150万CFA(約27万円)までの即時賠償金を支払った。
● インフォーマル・セクターの商人で被害額が150万CFAを超えるもの
損害賠償が支給されるまでに、年利4%、6ヶ月間返済猶予の500万CFA(約90万円)を上限とするインフォーマル・セクター
支援基金(FASI)の特別融資を実施。
● 中小企業
年利4%、6ヶ月間返済猶予、24ヶ月返済を条件として最大2千5百万CFA(約450万円)を上限とするブルキナファソ連帯基金
(FDS)の特別融資を実施。
● ガソリンスタンド経営者
略奪された燃料を支給。代金は政府が支払うが、政府との間で年利4%、6ヶ月間返済猶予、24ヶ月返済を条件とする協約を締結。
● 大企業(大規模スーパー、大規模ブティック、ホテル)
2千7百万CFA(約480万円)以上の被害額がある場合、それぞれの取引銀行からの融資を得られるよう政府が口添えする。
インフォーマル・セクターの小商人のカテゴリーについては、既に500人以上の商人に賠償金を支払っている。その他のカテゴリー
は300人程度から申請があるものと思われる。現時点で10億CFA(約1億8千万円)を支出している。
(2)所得税(IUTS)減税、昇給の実施
IUTSの一律10%減税とは、現在税率20%を適用されている者は適用税率が10%になること。これは政府・経営者と賃上げ
交渉をすることなく、公務員も民間企業従業員も直ちに所得が1割増加することになる。先の閣議で決定された減税法案が国会
で可決された後に適用される。
昇給実施についても、各省の人事局が昇給昇進辞令等の実態を把握すべく動いている。該当者が人事局に公的書類を提出
すると手続きは早くなる。
(3)財源
これらの諸措置にどれだけの財源が必要かはまだ最終的な数字は出ていない。しかし、首相の指示は明確であり、これらは全て
透明性の下で実施される。すなわち、国の予算で賄う。そのため、早期に補正予算を提出する。政府は節約と支出の見直しを行う。
保健、教育、食糧安保といった社会部門の予算は削らない。行政費用の削減、新政府が省庁を削減したことで行政のスリム化を図る。
また大規模行事の中止・延期も行う。しかし、生産部門、社会部門の予算は削らず、新しい課税も行わない。とにかく節約できる
ところを節約していく。
今日も大使館の情報から。
こちらを見ると、ティアオ新首相指導の元、着実に問題解決が進んでいるようだ。昨日の大使館情報では、物価高騰に対する措置、すなわち、食料、生活必需品の値下げが政府補助金などによって実現しそうなこと、暴動で損失を被った人たちへの補てんなどが決まったことが報告されている。
情報筋の見込みでは、今週末5月14日の公務員(軍隊?)が分岐点になるのではないか、とのこと。
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1.ブルキナファソ全土で平穏が保たれており,威嚇発砲・暴動等が発生したとの情報はありません。
2.ティアオ新首相が今次社会危機解決のため4月28日に発表した緊急対策の進歩状況につき,工業・商業・工芸省は生活必需品
の価格に関する措置を発表したところ、概要以下のとおりです。
(1)各生活必需品の価格
● 輸入コメ(破砕米25%を含むもの)
16,000 CFA/50kg(政府緊急対策前の市場価格は18,000CFA~23,000CFA:11%~21%価格減となる)
輸入業者の希望卸売価格16,975CFA/50kgと消費者団体希望小売価格16,000CFA/50kgの差額975CFA/50kgは政府が輸入業者
に補助金を支給する。
● 地元産コメ
15,000 CFA/50kg(政府緊急対策前の市場価格は18,000CFA:17%減)
政府は食糧安全保障管理公社(SONAGESS)と実施方法を決定する。
● 砂糖
650 CFA/kg(政府緊急対策前の市場価格は850CFA:24%減)
政府は砂糖の一時的輸入を認め、砂糖公社(SN-SOSUCO)の保護策を検討。
● 食用油
825 CFA/kg(政府緊急対策前の市場価格は1,100CFA:25%減)
政府は、CITEC(製油企業)の便宜のため綿種購入価格を引き下げる。また、一時的にUEMOA域外からの食用油の輸入を許可する。
● 地元産穀物
市場価格の通りとする。
昨年の価格に比べ、今年の市場価格は低下傾向にある。ただし、SONAGESSは脆弱な生産地においては農家に有利な穀物購入
価格の維持を図る。
● パン用小麦粉
パン価格に見合った小麦粉価格に関する協議を行う。
● 乳製品
必要な情報が不足しており、近々調査を行い適切な価格体系を関係者と協議する。
● 石けん
市場価格の通りとする。アビジャンからの鉄道輸送が正常化しつつあり、価格は下落する見込み。
(2)実施要領
● 公定価格は9日から実施され、当面3ヶ月間実施される。3ヶ月後に消費者団体、輸入・卸売・小売り業者団体、政府の三者機関
で評価を行い、次に執るべき措置につき協議する。
● 公定価格は、ワガドゥグ市、ボボデュラッソ市で適用され、右2都市以外の地方においては公定価格に輸送費を上乗せした適切な
価格を設定する。
● 公定価格・量が遵守されているかは国が監視する。独占の問題、地場産業の保護、大規模購入センターの設置等についても議論
を深める。
3.10日付シドワヤ紙は、ベンバンバ財務経済大臣のインタビュー記事を掲載しているところ、概要以下のとおりです。
(1)4月15日の軍兵士による略奪被害者への救済
被害者への損害賠償が基本原則であるが、経済活動を継続できるように支援することを重視。5つのカテゴリーに分けて対応。
● インフォーマル・セクターの小商人(携帯電話、屋台販売、果物野菜商等)
被害額は少額であるので、被害額に応じて150万CFA(約27万円)までの即時賠償金を支払った。
● インフォーマル・セクターの商人で被害額が150万CFAを超えるもの
損害賠償が支給されるまでに、年利4%、6ヶ月間返済猶予の500万CFA(約90万円)を上限とするインフォーマル・セクター
支援基金(FASI)の特別融資を実施。
● 中小企業
年利4%、6ヶ月間返済猶予、24ヶ月返済を条件として最大2千5百万CFA(約450万円)を上限とするブルキナファソ連帯基金
(FDS)の特別融資を実施。
● ガソリンスタンド経営者
略奪された燃料を支給。代金は政府が支払うが、政府との間で年利4%、6ヶ月間返済猶予、24ヶ月返済を条件とする協約を締結。
● 大企業(大規模スーパー、大規模ブティック、ホテル)
2千7百万CFA(約480万円)以上の被害額がある場合、それぞれの取引銀行からの融資を得られるよう政府が口添えする。
インフォーマル・セクターの小商人のカテゴリーについては、既に500人以上の商人に賠償金を支払っている。その他のカテゴリー
は300人程度から申請があるものと思われる。現時点で10億CFA(約1億8千万円)を支出している。
(2)所得税(IUTS)減税、昇給の実施
IUTSの一律10%減税とは、現在税率20%を適用されている者は適用税率が10%になること。これは政府・経営者と賃上げ
交渉をすることなく、公務員も民間企業従業員も直ちに所得が1割増加することになる。先の閣議で決定された減税法案が国会
で可決された後に適用される。
昇給実施についても、各省の人事局が昇給昇進辞令等の実態を把握すべく動いている。該当者が人事局に公的書類を提出
すると手続きは早くなる。
(3)財源
これらの諸措置にどれだけの財源が必要かはまだ最終的な数字は出ていない。しかし、首相の指示は明確であり、これらは全て
透明性の下で実施される。すなわち、国の予算で賄う。そのため、早期に補正予算を提出する。政府は節約と支出の見直しを行う。
保健、教育、食糧安保といった社会部門の予算は削らない。行政費用の削減、新政府が省庁を削減したことで行政のスリム化を図る。
また大規模行事の中止・延期も行う。しかし、生産部門、社会部門の予算は削らず、新しい課税も行わない。とにかく節約できる
ところを節約していく。
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