201702「ストリート・チルドレン」調査@ワガドゥグ メモ-①

20170211 サイト近くに落ちていたトマト缶(物乞いの象徴)
「ストリート・チルドレン」調査4日目。明日はアシスタントをしてくれているLudovicがやんごとなき用事があるとかで、最終日の午前中のみ。

調査をしようとしたとき、焦ってたくさんのことを詰め込みすぎると、まずすべて達成できることはない。長い調査期間がとれた大学院生時代には、まったくこんなことを考えなくて、できるところまで、という感覚でやっていたけど、多少なり結果を意識しだしたここ何年かは、いかに効果的にたくさんの情報を集めるか、ということが頭の多くを占めるようになった。しかも、今回は久しぶりの自分のためだけの調査ということで、その意識はより強くなっていた。

到着翌日に、ずっとお世話になっているNGO、KEOOGOを訪問して、アシスタントをしていただける方を紹介してもらう。Ludovic Savadogoさんというフィールドワーカー20年の大ベテランがちょうど年末に契約が切れたから、ということで、この方に手伝ってもらうことに。翌日、こちらがやりたい調査を説明して、条件を調整して、木曜日から調査を開始した。

さすがに、この道20年のベテラン。僕など、以前の調査で手伝ってもらった子どもたちがいなくなれば、まったくの新参者と化していたが、まあ、いろんな人が出てくる。何度も顔を見たことがあったけど、実はストリート生活がずいぶん長くて、ベネフィッシャー(受益者/「ストリート・チルドレン」)だとわからなかった人がわんさと出てくる。

初日は、今回の調査地の主をあいさつ回り。こちらもこの道(「ストリート・チルドレン」)30年近い、僕よりも年上の大ボス、彼の仲間の数名に会った。実に面白かったし、彼らの見てきたワガドゥグは、教科書(そんなものは存在しないですが)で読むのとは、一味も二味も違うワガドゥグという街。乱暴な警察、壁の向こうの世界、そして、街の発展や、人びとの変化、とてもリッチな話を、僕は満喫した。これはすごい調査になるぞ、そんな期待感を持ちながら…

しかし、2日目。そんな期待にほとぼりを持った僕の頭に冷や水を浴びせられる。そんな調査などできないことが分かった。子どもたちを見ていると、午前中に適当に腹が満ちると、すぐにコル(シンナー)を始める。もちろん、知らないわけではなかったし、前回の調査の時に手伝ってもらったうちの一人は、ひどいシンナー中毒だったから。しかし、それは少々甘い認識で、NGOの人を目の前に平気でシンナーを吸い始める。しばらくすると、ろれつが回らなくなり、話していることが全く理解できなくなる。そして、お昼頃になると、すっかり深い眠りについてしまう。

ということは、話を聞こうと思ったら、朝の数時間が勝負。そして、僕らは彼らに「どこから来たの?」とか、「何がしたいの?」などと一々彼らにとって都合の悪い話ばかり聞くわけだから、途中で「疲れた」と言ってプイっとそっぽを向いたり、どこかに行ってしまったり。もの珍しくて、「俺の話も聞いてくれ」と言ってくる子もいるけど、「じゃあ、次ね」と言っておいても、いつの間にかいなくなってしまっていたり。

トータルで見て、Ludovicのお陰でとてもフルーツフルな調査になっているけど、インタビューのサンプル数で言えば、まあ、予定の半分以下。全体の調査で言えば、今の3倍-4倍くらいは欲しいところ。

残り、あと半日、というか、2-3時間でどれだけ取れるか、こういう勝負になってきた。

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