出国を前に。

今回の調査というか「アフリカ滞在」、セネガルで調整、カセーナで共同調査、その他業務調整をしてきたのだけど、実際に「調査」をしていたのは、実は滞在期間の半分もない。まあ、仕方ない面もあるのだけど、こういう滞在が増えてくると、帰り際、なんか充実感がない。別に何ページノートを取ったなどというのは、大した指数にならないのだけど、書いた実感がないというのは、こういう調査をしている人間にとって、多いに心残りなのだ。

そして、ブルキナに入る直前から、とても嫌な話に巻き込まれて、今まで我が町だと思っていたワガドゥグの街を急に狭くしてしまう事態も起こった。参与観察をする者として、周囲とのラポールが大切だということは、教科書で一番初めに習うこと。きっと、僕はそれが得意な方だと思っていたから、その一部を自分自身が招き入れてしまったことで、ずいぶん神経をすり減らした。もしかすると暴力をひき起こしかねなかったこの事態、同行した4人の方に何もなくてよかったし、僕自身も、こちらの友人たちの完璧なガードのおかげで、何もなく出国できそうだ。少し楽観的に考えたら、ここまで関係性が拗れたのに、最低限の仕事ができる環境は用意できていた、ということでもあるので、もうあまり消耗しないようにそう考えておこう。

とネガティブな話ばかりでもなくて、滞在の半分程度の調査で、とりあえずの親族調査ができたことや、今日も2016年に企んでいるイベントの打ち合わせが上首尾にできたこと、セネガルの仕事もいい種蒔きができた。

読み直したら、やっぱり凹んでる自分が見えた。こんな気持ちだったこと、残しておくことにする。

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