鈴木創(2013)『なごや 古本屋案内』風媒社

そしてもう1冊。これは、今日本屋でたまたま見つけた。

最初に感想を言ってしまうと、実に、実に味わい深い本、こんなかんじだろうか。そして、院生時代の7年間を過ごし、そして、通った古本屋、今更オッチャンたちのこだわりが読めて割とジンとさせられた。

この著者はシマウマ書店という、名大近くのおしゃれ古本屋の店主で、僕自身、この著者ともおそらく一言二言交わしたことがある。僕の専門の人類学でも宗教方面の本が割とあったのと、文庫の揃えが好きで、この本屋には月に2,3度は通っていた。それよりも、このシマウマ書店の向かいにある、脇田書店は週1くらいのペースで通っていたので、思い出深い。この本屋が8つも倉庫を持っていたことなど、初めて知った。とにかく、最初は高いな…という印象があって、なかなか通うまでにいかなかったのだけど、ある日、思い立って2万円くらい買ってからはずいぶん安くしてもらえるようになったのを覚えている。この本に出てくるオッチャンの話を読んでいて、古本屋を巡る人は少なくなったけど、一定のマジメな学生がいて…という件、僕もその中の一人として見てもらっていたら嬉しいな、と思った。

残念ながら、2軒ほど、気に入っていた古本屋が載っていなかった。結構味わいのある古本屋なのに。でも、こういう記録はきっと必要だろうな、と思う。本と向き合う仕事をしている者として、そんなことを思った。

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