都知事選に出馬した家入一真氏に思う

家入一真さんという人、年末だったか年始のNHK教育テレビの討論番組を見てはじめて知ったのだけど、その途端に都知事選に出られるとのこと、ホリエモンが指示ということで少し興味が湧いた。そんなわけで、TwitterでFollowしてみたり、Webだけだけどニュースで注目している。

家入さんの公約は以下の3点。

1つは「居場所のある街」東京を作っていきたい。多様性のある人達が生きていく場所をつくりたい。あとは、「仕事や遊びがとことん楽しめる遊べる街」である東京を作りたい。それから政治をもっと身近にしていく。特にインターネットを使って「政治に参加したくなる街」、そういう東京を作っていきたいと思っています。
http://www.huffingtonpost.jp/2014/01/22/kazuma-ieiri-kaiken_n_4641901.html 20140124閲覧)

ご自身が引きこもりの経験があり、21歳でIT系企業を起業、同時に、引きこもりの時期の経験から弱者に居場所を作る、と言った、なんとも波乱万丈な人生を送られている。僕よりも年下で、なかなかのガッツ。ホリエモンも、立候補者が「おじいさんばっかりなんでどうなの?」(同上)、ということで、家入氏の「若さ」の部分を強く押し出しているように見える。

とても現代的な、そして、東京という世界一の大都市特有の問題意識から生まれた、候補者ではあるように思う。もしかすると、プロセスの問題かも知れないし、少々ジェネレーションギャップを感じてしまうのだけど、下の主張あたりは「?」をつけたい。

「「なんで居場所がないんだろう」「なんで就活しなければいけないんだろう」ということに、答えられる大人はいない。答える政治家はいるかもしれないが、正解とは思えなくて。」(同上)

この主張の上でなのだろうけど、Twitter(#ぼくらの政策)のトップに、こんな文言が踊る。(仮の?)ポスターの一節なのだけど、

「働かなくても生きていける社会にします」

「居場所のなさ」ということを聞くと、公園のベンチの「ひじかけ」(横になることを拒む)とか、若年ホームレスの問題やら、ドヤの問題やら、いろんなことを思い浮かべるのだけど、その次の「なんで修活しなければいけないんだろう」は僕にはあまり理解ができないし、「働かなくても生きていける社会にします」というのは、どういう仕組みを考えているのだろう、という疑問が湧く。もう一方で、「労働」という概念が「今の若者(なんて寂しい言葉なんだ!僕はもう理解できないのか…)」の中では変わってしまったのだろうか。ますます分からなくなる。

ただ、Twitter上に、

「宇都宮氏が75歳以上の医療費無料を主張しているが、若者差別甚だしい政策が多くて困ってるのも事実」(家入氏ではない方の発言。引用方法が分からないので要約)

という発言があった。僕は家入氏がこれを支持するのかは分からない。僕自身は、これはあまりに社会を水平的に見たもので、社会が時間軸でも動いていることを認識していない発言で、家入氏がいう、「働かなくても生きていける社会」と逆ベクトルにあるものだと思う。議論として、こういう発言があるのはいいのだけど、この辺の判断はネットを選挙に導入しようとする人たちはきちんと処理していかないといけないように思う。Twitterの種々コメントには含蓄の深いものもあり、とても勉強になるのだけど、こんな危うい発言も山ほど飛び交っているわけで、政治に責任を負わない人たちの発言(Twitter)まで言質にとられると考えると、オジサンは少々ネット選挙というのが怖くなってしまう。

いずれにしても、首相経験者が出てきたり、人道派弁護士が出てきたり、とてもにぎやかな選挙になってきているが、候補者も結果的にどうなるにしても、しっかりとした議論がなされ、それぞれ、また都民、強いてはこの国の政治に資する選挙でありますように、そう願ってやまない。

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