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禁煙1年

 2024年5月23日… 第1クオーターも終盤、色々と忙しくしている中、猛烈な咳に悩まされていました。かかりつけの病院に診てもらうも改善の兆しは見えず、コロナでもなく、という先行きの見えない闘病生活はなかなかにつらいのですが、タバコを吸った後に訪れるほんの一瞬の咳のない世界、それだけを求めて喫煙所に通い詰めていました(なぜかタバコを吸うと咳が止まる一瞬がありました)。 そして、知り合いのドクターに診てもらい漢方を使うようになり、若干の効果は認められたものの、劇的な変化が見られなかったため、呼吸器科の専門医を予約したその日、激しく咳込み、持っていたタバコを最後のタバコにすると宣言して、始まった禁煙。 そもそも、ラグビーをしながらも練習後の一服が楽しみだったり、夜に紫煙をくゆらせながらウィスキーを傾けたり、喫煙所コミュニティを起点にいろんなことが始まった、というタバコから恩恵しか感じていなかった僕が禁煙など、今でも全く信じられないし、相変わらずタバコの香りは今でも好き(わざわざ吸おうと思わなくなったのだけど)。「一大決心をして…」というわけでもなかったこともあり、自分の中ではかなりカジュアルな禁煙のつもり。なので、意志が強いとか弱いとか、余り気にならないので、勧められたらたまに吸う。そんなの禁煙ではない、と言われたらその通りなのだけど、この1年でたぶん4本吸った。 まあ、これくらいでよいかな、と思いながら、次の1年もうまく続きますように。

【フィールドワーク】保見団地訪問(2025年5月9日)

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  保見団地の入り口 今年度は大学のカリキュラムが少し変わり、GWに続き3日間の補講期間があります。同僚の何人かはこの時期に海外に行ったりしていますし、私も研究中心の生活でした。補講期間は名古屋で研究会(というかゼミ)に参加し、昨日は、かねてから計画を立てていた保見団地の調査に行くことにしました。 と言っても、一人でブラブラするわけにもいかなさそうなところ。保見団地のNGO活動にも長くかかわられてる大谷かがりさん(中京大学)に、長年保見団地で活動を展開する トルシーダ の伊東さんをご紹介いただき、いろいろとご教示を乞うことにしました。 「保見団地」と言っても、一つのまとまった「公団」ではなく、いわゆるURと県営住宅の2つの地域に分かれており、さらに「団地」の周囲に一軒家の「団地」があります。公団と県営住宅を隔てる南北の境界を隔て、別世界(公団の方は清掃員がおり、県営の方はいない)、また、外周道路を隔て外側の一軒家団地には、比較的敷地の広い瀟洒な建物が多く、そこにも一種境界のようなものを感じさせます。 保見団地周辺地図 朝9時半、今年愛知に進学した卒業生を伴い、保見団地に入る。久しぶりに入る巨大な団地群と人気のない異様な空間に少々違和感を感じました。僕自身、小学校2年生から5年生にかけてこうした「公団」に住んでいたことがありますが、今考えれば、当時は小規模だった2クラス、80名ほどの同級生がおり、若い家族が多くてとても明るい雰囲気だった空間が、晴れていればとても気持ちの良いのでしょうが、どんよりとした天気がさらにこの空間に影を落としているようにも見えたからかもしれません。 遠景 異様なほどに巨大なコンクリートの壁 伊東さんに保見団地のことをいろいろと伺う。1990年の入管法の改正は、バブル期の製造業の好況による人手不足を補うため、ブラジル人の「帰国」を促すことに。ブラジルには、1908年以来26万人の日本人がブラジルに渡り、現在では、6世がおり、「日本にオリジンを持つ人」は100万人を超えると言われています。このように、ブラジル社会には日系人が数多い ことにより、1990年の入管法の改正、さらに当時のブラジルのインフレが多くの日系ブラジル人が日本に向かうことを後押しします。そして、多くの日系ブラジル人が人手不足にあえいでいた日本の製造業の現場に入り込んでいくよ...

TICAD・アフリカ学会:産官学とは言いますが…

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  5月17日、18日の両日に開催されたアフリカ学会が終了。先日ブログでも紹介したように、和崎先生らと共に フォーラム(分科会) を組織し、会期中はこのメンバーとひたすらにディスカッションをし、非常に濃厚な時間を過ごしました。 いろんなところで言っているので、このブログのどこかにも書いたのではないかと思いますが、TICADが行われる年の学会くらいは、TICAD、学会が連動してもいいのではないかと思います。結局行けなかったのですが、公開シンポが「社会実装」を謳っているのであれば、意図的にシカトか?!と思ってしまう…TICAD「東京国際アフリカ開発会議」の「開発」が経済のみならず、相互の文化・技術交流なども含みこむのであれば、アフリカ学会は非常に象徴的な学会のはずですし、学際研究としての地域研究は多様で複合的な視点からアフリカを分析していて、間違いなく重要な知見が数多くあるはず…TICADが始まって約30年間、両者は一度もオフィシャルに協働したことはなく(私も何度か「サイドイベント」を組織したことがあります)、これは政府・行政は学術に目を向けてこなかった、ということの証左ではないでしょうか。逆に、学問の独立性はともあれ、学会自体が「社会実装」(最近この言葉があまり聞かれなくなったような気がしますが…)を本気で考えているのか、という辺りも疑問。 国威発揚のために、積極的に働きかけるべきとは毛頭思いませんが、日本のアフリカ研究は、世界的に長い歴史と多くの業績を残している学会です。学会員も1000人ほどおり、地域研究学会としては、異例という話も聞いたことがあります。とある知人が「発表もせずに、知識の搾取ばかりですいません」などとおっしゃっていましたが、「知識の搾取」でもよいので、政府・行政の方は一度見に来るべきだと思いますし、それなりの専門知識をベースにして政策を積み上げるべきだと思います。そして、「産」も然り。きっと、ビジネスのタネや人材が多く眠っているはず。そして、長い目で見て、こういう学会に時間もお金も投資すべきではないかと思います。 そんなわけで、TICADの度に恒例となるつぶやきですが…

【出版】藤本武・八塚春奈・桐越仁美(編)2025『食文化からアフリカを知るための65章』明石書店

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2025年6月2日に『食文化からアフリカを知るための65章』( アマゾン /明石書店)いよいよ出版されます。 2018年末に、その後、籍を置くことになる京都精華大学を会場として行った「 第2回 アフリカ発酵食品文化研究会 」が本書の母体となった、アフリカ食文化研究会(正式な名前ではないですが)で、2023年からは東京外国語大学のアジア・アフリカ言語文化研究所の共同研究「 アフリカ食文化研究-変貌しつつあるその実像に迫る―(jrp000289) 」という名前で活動をしています。これまでに、この研究会からは、すでにいくつもの論考を発表し(例えば、 『農耕の技術と文化』30号 など)今回の出版にたどり着きました。 私は以下の4章分を分担執筆しました。 第8章 西アフリカ乾燥地の伝統的主食:雑穀で作られる練粥「ト」 第17章 西アフリカに広がる米食文化:セネガル料理の影響と土着の料理との融合 第36章 アフリカの納豆文化:西アフリカの味を決める発酵食品 第46章 チャパローソルガムでつくる地酒(ビール) しかし、これでいよいよ手持ちのネタは玉切れ。なんか新しいネタを考えておかねば… もし、奇特にもこのブログを読まれている方で、ご所望の方がおられましたら、ほんの少しお安くお譲りできると思いますので、ご遠慮なくお申し出ください。

【子ども学と子育て】Vol.27 キイチロウとフィールドワークする(GW家族企画)

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岐阜城  「信長の野望」、僕が中学生の頃にはまったゲームは、30年以上たった今も多くの人たちの間で楽しまれています。ゲームをしなくなってずいぶん経ちますが、昨年のクリスマスに「サンタさん」がキイチロウにこのゲームを持ってきました。「サンタさん」の気持ちを察するに、社会がメチャクチャ得意だったお父さんに似ずに、未だに都道府県名がほとんどわからないこと、位置関係も名前も県庁所在地も、そこにどんな産業があるかも…お父さんは、5年生の頃には市町村単位で人口やら産業やらを知っていたのに… 子どもに自己投影してしまう、パワハラ、アカハラ気質を吐露しましたが、「信長の野望」作戦は結構成功している気がします。とてもゲームが難しくなっているおかげで、小学4年生のキイチロウには一人でやるのは難しく、僕のサポートが必要なこと、物語に少しずつ興味が出てきたこと、昔の地名だったりしますが、漢字を読もうとすることなどなど、苦しまずに背伸びをしているのは、とてもよいこと。 キイチロウの芽生えた好奇心をさらに強くしたい、という狙いもあり、今年のGWはお城廻りをすることにしました。「信長の野望」、現在、織田信長でご機嫌に快進撃を続けていることもあり、織田信長のルーツを訪ねる旅、ということで、岐阜→清州→名古屋と、回ることとしました。 GW終盤ということで、渋滞回避のため5時過ぎに自宅を出発し、岐阜公園に着いたのは8時前。さすがにまだ誰もいないだろうと高をくくっていたら、すでに金華山行のロープウェイには長蛇の列。1時間近く待ち、頂上に上がり、岐阜城の天守閣に登る。途中、疲れた…などと言いながらも、城内に入り、展示を一つ一つ一緒に見ていると、疲れも見せずに嬉々としていろいろと質問してくる。あふれ出る好奇心に思わず目を細めながら、一緒に展示を見て回り、天守最上階から下界を眺める。決してゲームでは経験できない信長も眺めたであろう、絶景を見て、少しは感動してくれたでしょうか。 岐阜城内の織田信長の甲冑と。 岐阜城の後は、近くの歴史博物館へ。10年ほど前に一度地球研の企画で訪れて、展示の充実ぶりは知っていたので、ここはセットで連れてきたかったところです。ここの常設展は、戦国武将としての織田信長の功績はもとより、「楽市楽座」の展示が充実しているのがよいです。ゲームでもお金を持っていればいろいろできるのです...

【日本のアフリカン・レストラン】⑥「+221」と「Afributik」@坂戸(セネガル料理)

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「マフェ」 日本のアフリカ料理屋6軒目は、ようやく来られた「+221」。なんのこっちゃと思われるでしょうが、これはセネガルの国番号。このお店は、どちらかというと、隣にあるAfributikの方が有名で、セネガルの食材が大体手に入るお店としてよく知られています。いつのころからか、このお店のオーナー(おそらく)のセネガル人女性が出す料理がおいしい、という話が聞こえてきて、早く行ってみたかったお店でした。 東武東上線「若葉」駅から徒歩5分ほどで到着し、店の中に入ると、セネガル人男性7名ほどがたむろっている。ダイラで見たことのあるような顔がちらほら。やっぱりこの辺にもセネガルの人が住んでいるのが分かる。 席に着き、さて、何をいただこうかしら。お店の人を呼び、「今日はなにがあるの?」と聞くと、「全部あるわよ」…アフリカ的にはこれは信じてはいけない言葉。フランス語に切り替えて、ボロヘかチェブジェンを、というと「ない」と(笑)。それ以外は大概あるそうで、ある意味ビンゴ。あんまりいじめてもいけないので、「マフェをください」。 さすがですね。もうちょい肉を入れてほしかったが、値段もリーズナブルだし、味もよい。ボリュームもしっかりしていて、ほぼ満点でしょう。 隣り合っているアフリブティックと+221 +221の看板 食事後にオーナーとも挨拶。実は、ダカールで一度顔を合わせたことがあり、先方もご記憶でよかったです。連絡先を交換して、再開を期す。その後、Afributikにも寄る。噂にたがわぬ品揃え。僕が知らない調味料もそろっているし、美容系用品もたくさんあり、アフリカ系の女性がそれなりの数いることも推察させる。 ファタヤ メニュー  やっぱり、もっと早く来ておくべきだったし、この後、また行かねば、と、ファタヤを食べながら思ったのでした。 食べログ:https://tabelog.com/saitama/A1103/A110304/11062099/

2025年度 今年度やること

すでに4月も過ぎ、GWに差し掛かっていますが、今年度の目標というか、Todoというか、これからこんなん出ますなども。元気に仕事してます、報告です。 【研究】  昨年度いっぱいで自分の科研費が終了。また、分担者としてかかわっていたものもいったん終了しました。残念ながら、萌芽研究しか出せなかった自分の科研費は不採択でしたが、二つの科研費プロジェクトの分担者としてお誘いいただき、研究者としては研究が続けられることになりました。一つは、「 ポスト世俗時代における地域間比較宗教学に向けてー複眼的世界像の構築と分析 」(基盤研究(A)、代表者:伊達聖伸)、もう一つが「 イスラーム教育と世俗の越境・融解:ムスリム側から描く「ポスト世俗 」(基盤(A)、代表者:日下部達哉)です。この二つはそれぞれのテーマに沿った海外調査がメインです。このほか、学内の「個人研究奨励費」というのをいただきましたが、こちらは在日アフリカ人調査に充てる予定にしています。 一応、調査については、こんな感じで目途が立ちました。で、「いっぱい書きます」は宣言しておきます。まず「書きました」は2.5冊ほどあります。いずれも明石書店のエリアスタディーズシリーズですが、『食文化からアフリカを知るための…』『ガーナを知る…』『ブルキナファソを知る…』と寄稿しました。この辺は年度内には必ず出版します。 そして、現在書いているもの、書き出したものです。まず、昨年度までの科研費の成果出版の目途を立てる(原稿を出す)こと、日下部科研の先行プロジェクトの成果発表の原稿(2本)が大きめのお仕事です。このほか、『ブラック・ディアスポラ事典』の編集委員を仰せつかっており、2027年度出版を目指し、打ち合わせを行っているところです。そしてそして、これだけ受けておいて大丈夫か?!ですが、博論、何とか今年度こそ目途を付けます。 【教育面での目標】 昨年度は、グローバルスタディーズ学科が一巡し、無事に1期生が巣立っていきました。我われも授業が一巡し、ベースが固まってきました。今年度は新たな講義資料を作成する必要はないのですが、来年度からの本格的な学部再編を前に、いくつかの準備をせねばなりません。講義科目は、大きくフィールドワーク関連科目、比較社会学、子ども学概論というのを担当していますが、文化人類学の近接科目でもある比較社会学の充実化...