長老逝く-合掌-

前回の調査、長老たちへの聞き取りを多く行いました。意外な歴史、外来民族がどのようにワガドゥグに入ってきたのか、ということがよくわかり、今回も少しずつ進めようと思っていました。

中でもヤルセの長老、el hadji Sieno Djiebre師はsagbotenga(http://cacaochemise.blogspot.com/2010/03/sagbotenga.html)に導いてくれるなど、本当にたくさんのことを学びました。小さな家に住んでいましたが、ブルキナファソの大金持ち、カナズュエ師の義理の兄にあたる人で、以前イスラーム協会の会長を歴任されていた方です。すでに年は80歳を超え、緑内障のため、視力は低下していましたが、当時は至ってお元気でした。少しトリッキーで、いたずらっ子みたいなおじいさんで、話の端々に配されたユーモアがなんとも面白いお話でした。

前回、調査を手伝ってもらっていたザカリアさんに、「写真は撮らなくていいのか?」と聞かれ、「いや、必ず会いに来るから、次回にする」と宿題を残したのです。調査の最後から2日ほど前だったと思います。残念ながら、この宿題は果たすことができなくなってしまいました。

今回も、ザカリアさんに会ったときに、アポイントを取ってもらうことにしてもらっていました。ちょうど先週の水曜日。その日は師は村での儀式のために日帰りでYakoの方に行っていて会えなかったのですが、金曜日にザカリアさんに改めてアポイントを取りに行ってもらったところ、すでに体調が悪い様子だったとのこと。

先ほど、ザカリアさんに打ち合わせのために電話をしました。一通りの話が終わった後、ザカリアさんからの「残念なお知らせ」が師がお亡くなりになったということでした。

ひょっこり迷い込んだ外国人の僕に、親切に、そして、知ることすべてを伝えてくれようとする師の話しぶりは、癒しのようなものでもありました。調査をしていて、これだけ話を聞いたことを喜んでくれた人はいなかったのではないでしょうか。「また会いたいな」と思った人の一人だったのですが…本当に残念です。

ご冥福をお祈りいたします。合掌。

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