【映画】『とんび』(監督:瀬々敬久、主演:阿部寛、2022年)
年末にテレビが急逝し、急遽新たなテレビを買い替えました。実は、ほぼほぼテレビの機能を理解しておらず、衛星放送もせいぜいBSのニュースを見る程度。今回新たに購入したこともあり、ちゃんと機能を使おう、ということでネットにつなげ(先代も繋がっていたはずですが)、Netflix、Amazonにもつなげて充実した映画ライフを送っています。なんでもっと早くやらなかったんだ…
さて、人間穢れるほどに涙もろくなる、とSNSで誰かが言っていました。 リールで流れてきた薬師丸ひろ子の芝居が気になり(というか、すでに涙腺に異常が…)、映画本体にたどり着いたのですが、はじめの方を見ていたら、これ、飛行機の中で見た…と気が付いたのはまあよいです。とにかく、朝食を作りながら見てみることに。
やんちゃなヤス(阿部寛)が家族を持ち、美佐子(麻生久美子)との間にもうけた旭(北村匠海)が成長する中の父ヤスとの生活を描く。しかし、美佐子は旭と共にヤスが働く倉庫を訪れた際に旭がひっかけて落下した荷物の下敷きとなり帰らぬ人となる。旭に責任を感じさせぬよう、自分を助けて美佐子が亡くなったとするヤス。このことが原因となり、ヤスと旭の間には溝が生まれる…
全く違うタイプであっても、自己投影してしまう。放蕩三昧だった男が、家族を持つことにより子どもと妻を何よりも愛おしむようになり、そして、大切なものを失ってもなお深まる家族への愛。そして、主人公を取り囲む人びとの前時代的ながらも、「地域」や「家族」の暖かさは、なおこの物語を豊潤なものにする。
2008年に角川書店から出版された映画と同名の『とんび』が原作。何度か映像化されていたて、2012年には、堤真一主演、2013年には内田聖陽主演でTBSでドラマになっています。僕はこの映画の中では薬師丸ひろ子が生き別れした娘との再会シーンに惹かれたのですが、ヤスに旭の結婚と子どもができたことへの喜びを促す昭栄(安田顕)がヤスを怒鳴りつけ、旭夫婦を罵倒するシーン、グッときましたね…。昭和生まれのおっさんの心がガンガン揺さぶるとてもよい作品だと思いました。
コメント
コメントを投稿