『イスラーム教育改革の国際比較』(日下部達哉(編著))が出版されました
『イスラーム教育改革の国際比較』が出版されました。私は、第5章「ブルキナファソにおけるイスラーム改革主義運動」を分担執筆しました。
この本自体は題名通り、アジア、中東、アフリカ、ヨーロッパという、ムスリムが多い地域(ヨーロッパが入るのは意外でしょうか?)のイスラーム教育の位置づけを並べてみる、という企画です。編者の科研費で集められたメンバー9人が執筆しています。
私は、ブルキナファソのフランコ・アラブと政府の間の相克について書きました。政府がどのようにイスラーム教育を捉えるのか、という点なのですが、やはり、政府はうまいこと使ってやろうとしている、フランコ・アラブはそれに振り回されつつも、今、置かれた環境の中でなんとかかんとかやっている、というようなことを書きました。2年間フィールドに行けなかったこともあり、データの積み増しがなく、若干消化不良…というのが正直なところです。
しかし、この本はこの本でとても面白くて、イスラーム教育の多様性がよく出ていて、そのおかれた立場、政府、市民からのまなざしの違いがよくわかる。しかし、今、とても気になるのが、「比較」という言葉なのです。実は、来期から「比較社会学」という科目を持つのですが、未だ「比較」という言葉に悩まされています。「比較」するには、ある視点と、それにまつわる複数の事例が必要なはずで、僕の理解では、さらに分析があるべきだと思っているのですが、多くの「比較」が分析がない気がする。この本がどうかは、世の中の評価をお待ちするということにして、もう少し「比較」ということについて考えを深めていきたいと思います。
話がずれましたが、出版のご報告です。
この本にご関心のある方は、ブログからお申し出ください。著者割(+送料?)でお譲りいたします。
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