【出版】藏本龍介(編)2023『宗教組織の人類学 宗教はいかに世界を想像/創造しているか』法蔵館

続けてもう一冊。2023年3月に出版された『宗教組織の人類学 宗教はいかに世界を想像/創造しているか』は、藏本龍介さんを代表とする科研費「宗教組織の経営についての比較民族誌的研究」(挑戦的萌芽、2015~2017)、「宗教組織の経営プロっすについての文化人類学的研究」(基盤B、2018~2021)の成果として出版されました。コロナの関係で、2022年まで研究プロジェクトは続き、この本は2022年度の発表となりました。

この本では、第5章「イスラーム教育の再創造 ブルキナファソのイスラーム教育機関を事例として」を担当しました。前回紹介した『SDGs時代にみる教育の普遍化と格差…』と同じ対象を宗教側から眺める、つまり、ブルキナファソ国家内の教育機関としてだけでなく、「より広い意味での組織の想像/創造プロセスを明らかにする」(216)という点を目指しました。宗教組織は、他の社会から分断されたユニークなものではなく、国家や社会と呼応しながら変容していくこと、そして、その変容はあるバランスの中で調整されるので、一方のみにすり寄ることはありません。そうした中で、外部者のまなざし、また、外部者的なまなざしを持つ人たちの考え方だけは所与のものとして、そこにあるのだ、ということを述べました。

第4章を担当した中尾さんがブルキナファソの宗教教育史を書かれているので、セットで読んでいただけるとブルキナファソの伝統教育のことがかなりよくわかるのではないかと思います。







 

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