新刊紹介・澤村信英(編著)『発展途上国の困難な状況にある子どもの教育』明石書店
澤村先生(大阪大学)の編著が出ました。僕は第10章「ブルキナファソの「ストリート・チルドレン」と教育-近代化とイスラーム文化のはざまに生きる子どもたち」という論考を寄稿させていただきました。
16名の執筆者による約400頁の大部です。僕以外はほぼ比較教育学を主学会として活躍されている方々で、方法論や論文の型式にも、客観データから論を積み上げているものがほとんどです。
ざっと見る感じで、インクルーシブ(「包摂」…でいいんだと思いますが)、つまり、この本のタイトルにあるような「困難な状況にある子ども」を、いかに「社会」に組み込んでいくのか、もう少しこの本に寄り添った言い方をすれば、「社会に溶け込みやすく」するのか、ということを考えていこう、というのがこの本のテーマなのではないかと思います。「社会」、「困難さ」、「包摂」…こうした一つ一つのタームは、貧困問題を考える上で、とても馴染みやすいのですが、実はこれらがどのような概念なのかは、この本一冊の中だけでもグラデーションがあるように思います。僕が考える課題の一つは、このあたりの単語をしっかり定義していくことではないかと考えているのですが、そうすることで、この本はより展開力を持った議論になるのではないかと思っています。
そんなわけで、もう一冊出ました。書店等でお求めいただければありがたいですが、若干値段も高いので、地元の図書館などでリクエストしていただければ嬉しいです。
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