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本年もお世話になりました。そして、2015年に向けた課題

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もうそろそろ来年の話をしても誰も笑わないだろう。 今年最後の仕事を今朝3時頃に仕上げた。「窓」の話なのだけど、こういう何の役にも立たなそうな研究(失礼!)こそが楽しくて、なんで「窓」があるのか、とか、アフリカの家の「窓」が小さいのはなぜか、ということを考えるとなかなか面白い。家の研究を始めて2年が過ぎようとしているけど、まったく別の視点を与えてくれる。こういうスピンオフはたくさんあるといい。 ともあれ、何とか生きて2015年が迎えられそうです。まずは、本年度中は多くのみなさまに大変お世話になりました。大して宣伝もしていないこのブログ、どれくらいの方にご覧いただいているかはわかりませんが、このブログを見つけていただいたということだけできっとお世話になっている方。厚く御礼申し上げます。来年もどうぞご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。 今年の業績、数えてみたらこんな感じ。学会発表は6本(うち国際学会/シンポ2本)、学会運営1件、報告書1件(印刷中)、論文1本。まあ、しょうがないか、と言った内容。論文の少なさは忌々しき問題なので、これは改善していきたい。 しかし、執筆中の報告書、論文等々が4本ほどある。編者からの返答待ちだったり、自分の図面がまだ書けていないのがあったり、例のやつがあったりと、もうちょいのところのが3本ほどある。新しいネタも一本くらい書きたいし、ワーキングペーパーもまとめたい。そして、博論も(毎年言ってるけど)…。プロジェクトもあと2年。こちらの成果も上げつつ、自分の分も何とかせねば、です。来年に向けての課題、とにかく書く、です。 改めて旧年中のご厚情に感謝いたします。どうぞよいお年をお迎えください。 ※写真は僕の修論の主役、ラミンの新しい露店。その裏には焼打ちにあったCDP(旧与党)。持ち主がいなくなったために、こぞって店を出している、という…

食文化シリーズ 「マトンの焼肉」

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ワガドゥグの空港の入り口に変わった「土産物屋」がある。「肉屋」だ。空港のドライバーをしているアブドゥルに聞くところによれば、隣国コート・ジボアールに人気なのだそうだ。なぜか、と言えば、海沿いの地域はヤギは問題ないものの、湿潤すぎるとウシやヒツジは病気になりやすい。しかも、物価が高く、肉自体もそれなりに高価なものなのだそうだ。反面、サーヘルは遊牧・牧畜民の地域。フルベをはじめとする多くの人びとが今も牛追いを主たるナリワイにしている。そんなわけでブルキナも肉が旨いのだ。 ワガドゥグにも多くの肉の売り方がある。固定店舗、屋台、歩き売りと様々な売り方があるし、モツや足、タンやら使う部位もちゃんとわかれているし、料理法もスープ、焼肉、紙蒸し、炒め煮等々、料理法も多様だ。牧畜民がムスリムであることが多いため、必ずしも、般若湯を供して、というわけにはいかないが、他の食事に比べると割高なものの、割と庶民の間でも食べられているのではなかろうか。 写真は、ムトンの紙蒸し焼。この数日前に他の店で固めの肉を食したが、この店はふんわり。口に入れると筋に沿って身がポロポロを剥がれる。脂身も適度に香ばしい。フルベの友人の多くがココを一番とするのがよくわかる。この店は、もも肉や胸肉を多く調理しているが、同じ店でレバーやら内臓を扱うようになった(最近のような…)。できれば、泡の般若湯と合わせたいところだが、この店の立地的にそれは少々難しい。持って帰って…という選択肢もあるが、やはりアツアツを食べた方がいいので、ここに来ると大体コーラで済ませてしまう。 写真の整理をしていたら、そういえばこういうのを載せてなかったな…と思ってアップすることに。今日はこれともう一件、2014年のまとめでも書いてみることにする。

ブルキナファソ写真2014

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今年ブルキナファソで撮った写真。選んだのは、とりあえず「風景」に近いもの。色がいいな、と思ったり、構図がいいなと思ったり。まあ、お気に入りを載せました。何のコンセプトもありません。雨季と乾季の両方行ってますが、雨季だから空気が澄んでいる、とかいうことはないんだな、ということがわかりました。 にほんブログ村

『サンバ』エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ(監督)

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監督:エリック・トレダノ、オリヴィエ・ナカシュ 主演:オマール・シ(サンバ)、シャルロット・ゲンズブール(アリス)、タハール・ラヒム(ウィルソン) フランスにおいて、また、日本においても、そして世界のすべての「国」に移民の問題は存在する。そして、この問題はグローバリゼーション(人や情報、モノの国境を越えた移動の活発化)が生み出す象徴的な問題として考えられている。しかし、世界史を紐解くまでもなく、人も情報もモノも、人間がこの世に生まれたころから大なり小なり行われてきた、人間の悠久の営みであった。これが問題となるのは、国民国家、国境が生まれ、そこの出入りを権力が管理するようになってからである。 原理原則論はともかくも、所謂「南」から「北」への人の移動、移住による問題は深刻だ。非常に単純な問題構造として、「南」から「北」への人の移住は、経済的な要因によるものと考えられがちだ。しかし、それが主要因であるとしても、「南」の人と「北」の権力、人びととのかかわり方は多様だ。この映画の監督や出演者が何度も語っているように、そのすべては深刻な問題(悲劇)だけではなく、時にコミカルでシニカルだ。何かこうした問題を扱うときに、社会的正義を振りかざす傾向があるように思うが、この映画はこうした思想が底流に流れているように思う。よって、この映画もそのように描かれている。「南」の人対「北」の権力という図式だけでなく、「南」の人通しのかかわりがあり、また恋愛もある。 移民の扱いは、政治的潮流に大きく影響される。殊に現在の欧米の潮流では、「南」からの移民は歓迎されていないように思う。たとえ、こうした潮流が軟化したとしても、世界が多様である限り、そしてそうでなければならない限り(すべてが一つの基準に収まるということは反面全体主義的だ)、問題の解決はおそらく不可能であろう。であるならば、この映画が示すように、人の多様な営みを様々な角度で理解をすること、まず移民問題を人の営みの問題だととらえ返すひとつのきっかけとなるのではないだろうか。 にほんブログ村

澤村信英【編】2014『アフリカの生活世界と学校教育』明石書店 

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編者の澤村信英先生よりご献本いただきました。 澤村先生の旺盛な執筆活動、本当に頭が下がります。 年末年始、勉強させていただきます。 にほんブログ村

食文化シリーズ 本気の「ト」

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この食文化シリーズ、第一回目は「ト」でした。しかも真っ白な、お椀の形をした。「文化」を語ろうとしながら、なんてことをしたんだ、とかなり後悔しています。 街っこのアブドゥルが眠くなるというほど重いト。先日の真っ白なやつはメイズ(トウモロコシ)、今回のこのトはプチミル(ミレット/トウジンビエ)です。こちらも先日ブログでご紹介した、Leleの村でいただいたものです。一つの塊がどんぶり一杯分。手に持った時に分かる穀物の密度の高さは感動的でした。そして、口に入れた時の酸味。「これこれ」という感じです。写真には写ってませんが、この日はラッカセイとブルバカのソースでいただきました。 にほんブログ村

調査を締めます

ずーっと前に日本を発ったような気がしてます。今回のアフリカ行。「そういえば、ヤウンデにいたな…」とか、「xxに会ったな…」とか。 すでにアフリカで研究を始めて10年が過ぎ、いい加減、若手扱いもされなくなってきて、もちろん、来るたびにデータ収集の精度は上がっているし、調査の質も上がっている(はずです)。ただ、今回というか、この数回、初めての作業だったのは、調査の終わりを予感しながら、調査を締めていく、という作業。もちろん、延々と来ていれば、それはそれでデータは貯まるし、新たな視点も生まれてくるのですが、そこは一人の研究者の限られた時間の中でしかできないもの。どこかで終わりはくるはずなのです。 ともあれ。今回はチルメンガさんのライフヒストリーのベースを取り、近代教育とイスラーム教育の折衷であるフランコ・アラブのデータ、あと、何よりブルキナファソの政変のデータが取れました。そして、ヤウンデの痛恨の発表…(思い出すのも辛い)。まあ、少しは足しになったか、というところで今回の調査を締めます…と言いたいところなのですが、先ほどメールがあって、頼まれ仕事が一つ増え、明日も最後までフルスロットルでやってきます。 昨日の休みにとりあえず記事、論文を書き始めました。年末年始は連れ合いも仕事なので、僕も頑張ってやりますか。グダグダの年末年始は今年やったし、今度の年末は仕事です。