【映画】The Great Green Wall

久しぶりに「映画」見ました。映画自体を見ていないわけではない(ドラえもんとか、クレヨンしんちゃんとか、鬼滅の刃とか…)のですが、ドキュメンタリータッチのものはなかなか見る機会がありません。久しぶりにちゃんと見られましたので、感想文など(これも何年ぶりでしょう)。若干ネタバレです。

旧知のミネコさんにお知らせをいただき、中野のウナカメリーベラさんで小さな小さな上映会がありました。

グレート・グリーン・ウォールとは、砂漠化の進むアフリカのサハラ砂漠南縁部(サヘル)地域に樹林帯を構築してサハラ砂漠の南進を防ごうというもの。セネガルからエリトリアにかけ、全長7000㎞とも8000㎞に緑地帯をつくる壮大な計画です。この計画は2007年にAU(アフリカ連合)の主導で起案され、現在は15%ほどが完成していると言われている。

この作品は、インナ・モジャというマリのミュージシャンが仲間を募りながら、セネガルからエチオピアまで移動しながら一枚のアルバムを作るというものです。途中、ローカルなレベルで活動する支援機関の人や農家、そして、国連の事務次官などとも対話を重ねながら、サヘルの現実と理想を考えていく、という作品です。

ここから感想を述べます。

・この作品の存在意義として、「砂漠化」問題に目を向けさせた、という点で非常に意義深いものだということは言えると思います。私が「砂漠化プロジェクト」に在籍していた当時から、世論の砂漠化問題への関心の低さが指摘されてきており、こうしたマスに働きかける作品は歓迎されます。

・どうもインナ・モジャというミュージシャンは、それほどマリでも有名ではないらしい(ミネコさん曰く)のですが、砂漠化という茫漠として重たい問題を、若者らしい視点から軽やかに語るのは砂漠化問題への取り組みのハードルを下げてくれたように思います。私が心の中で思っていたのは、We are the worldをオマージュしているのではないかと思っていました。

・この作品で最も評価したいのは、ともすればインナ・モジャのプロモーション作品になってしまいそうだったのに、ちゃんと砂漠化問題のリアリティに正直に向き合っていたことです。ファンの方には申し訳ないですが、彼女たちが若すぎ、また、その音楽がまあまあであったおかげで、彼女の音楽性があまり全面に出過ぎずに、砂漠化問題の持つ政治性などもよく見えた気がします。

・映像作品なので、提示できる情報を選択せねばならなかったはずで、仕方ないかとは思いましたが、砂漠化対処技術(どうやったら解決するのか)という点がほぼ出てきませんでした。

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