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研究発表@南山考人研

本当に小さい研究会なので、事後報告。 そこそこ書かねばならないこともあるのだが、新ネタ。そのうち「まるはち人類学研究会」で共同発表する内容で、コーラン学校の話をした。 この研究発表を考え始めた時に、いつもどこかに「NGO批判」を抱えていることに気がつく。NGOのセンセーショナルな言説は、いつもなにか違和感を抱かせる。決してそれは一般的な問題ではないのに、世論のイメージに合わせた言説をつくり、貧困の商品化をして、弱者の再生産をする。これでいいのだろうか…人類学に足を突っ込もうと思ったときの最初の問題意識が常に付きまとっている、そんな感覚を覚えた。 今回のコーラン学校の話は、移動するコーラン学校の話。雑駁にフィールドのデータと今まで少し勉強したことをぶちまけたような発表。西アフリカのイスラーム史、参与観察のデータ、聞き取りのデータを並べた。イスラームの知識と交易の歴史が影響し、さらに、現金主義化する都市世界におけるコーラン学校の生き残り等々をどのようにまとめるか。こんな話をした。 そのうち学会等でも発表するので、またこの内容はまとまり次第。

ZaiとDiguetto2

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論文執筆と発表準備x2の合間に前の話の続き。 ブルキナファソはいわゆるサヘル地域にある。気候帯は乾燥サバンナとかサヘル気候とか言われる。どんな気候か、と言えば、やはりえらく乾燥して、乾期の終わりはくそ暑い。先日、今回の仕事で設置した気象計を見る限り、湿度は10%を切っていた。そのくそ暑い乾期の終わりには50度近くなることもままある。 そんなわけで、雨もそれほど多いわけではない。たとえば、東京の降水量は1,400mm、高知あたりの日本で一番降水量が多いところでは2,500mmとか、尾鷲あたりで4,000mm(小学校の時の記憶では…)とか。この地図(見にくいが)では、ワガドゥグ当たりで700mm、今仕事をしているコングシあたりでは600mm程度だろう。 前回、書きれなかった(今回も書けない)「土」。ここの土は、粘土質、砂質、後はこの地域に象徴的なグラニッド。どうみても保水力はなさそうだ。 そして、乾燥、こうした土から良く言われるこの地域の問題が、砂漠化とか土壌侵食。日本やヨーロッパの黒々して湿り気のある土はここではほとんど見られない(雨期になればそこそこなのだが…)。こんな土質なので、雨が降ると一気に表土が流れる。 表土の流出を抑えられれば、砂漠化はひとまず進行を止められる(実際は大した効果はないらしいのだが…)。そして、それ以上に目に見えるのが、収量の増加である。土が残ることが直接作物=植物の生育を助け、多くの実りをもたらす。 そこでようやくザイZaiとかディゲットdiguettoの話になる。そしていつになるかわからない次回に続く。 出典:Jaque Barret "Géopolitique du Burkina Faso" SEM にほんブログ村

うっかり…

昨日、日用品の足りないものをボチボチと揃えに外に出た。 まずまず暖かく、食料品やらなんやらを背負ったまま気持ちよくサイクリングに出て、家に帰る。来客があったので、そのまま夕食の準備をして、その日はおとなしく就寝。 今朝。昨日購入したヒゲそりの刃を付け替えて、切れ味の良さを堪能していると、もうひとつのヒゲそりの塊が…以前買ってあったものが発見されて、連れ合いからひとしきり説教を食らう。 最近、こういうのが多い。電池、クリップ、ボールペン、ライター…本をだぶって買うことは1回しかないが、細かいものがやたら増えている。うっかり…というか、モノ忘れが酷くなったというか…いやはや…

Twitter復活

昨日大学でTwitterの話になった。 確かアカウントを作ったはず…記憶も定かでなく、話をしているうちに、誰もフォローしてくれなくて、しかも知り合いが見つからずに、そのままになっていたのだ、ということを思い出す。K嬢の手引きに従い、何人かの知り合いを見つけてフォローしてみる。ちょうどいた「Cまつ子」も巻き込んでみた(妙なテンションの高さだったけど…)。 つぶやき生活再開です。 cacaochemiseです。

ふたつの日常

しかし、日本は寒い。乾期の寒冷期と酷暑期の間から、雪の日本へ。気温差40度近い。 ブルキナファソでは日差しを避け、日本では日の光を求める。寝る間際、数日前まで日中の日差しを吸い込んで熱を孕む壁を避けていたのに、今は壁の冷たさを避けるように壁から離れて寝る。 当たり前のことだが、こういう小さなことで自分がどこにいるのか、体が感じとって環境に適応していく。 こんな生活をしていたら、そのうち、どちらが自分の日常(ホーム)なのかがよくわからなくなる。しかし、きっと、誰でもそうなんだろうなと思う。たまたま僕の場合は、顕著に異なる2つの環境の間を出入りしているだけで、ひとつの社会の中で生まれてから死ぬまで…などという人は、この時代、それほど多くはないのではないか。それは、たとえ、どんなに交通手段の発達していないところであっても。 しばらくはこちらの日常。寒さも楽しまねば。

贅沢

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昨年11月、ワガドゥグにエチオピア料理屋ができた。12月に友人とこのレストランの近くで食事をしたときに通りかかって気がついた。以前、まさに「インジェラを食べるために(うそ。ちゃんと調査のために…)」アジスアベバを訪れてから、非常にお気に入り。 確かに、現在、ワガドゥグ-アジスアベバ間を週に6便、エチオピア航空が結んでいるのだが、決してエチオピア人が多い街ではない。しかし、こうしていろいろな種類の食べ物がそろうことは大変ありがたい。 昨日は、NGO-Aの事務所を借りて作業をして、その後Kさんと「打ち合わせ」、そして、NGO-H のTさんも誘って、勝手に送別会を開いた(ひとこともそんな話はしていないのだけど…)。Kさんとは、以前一度、ここで食事をしたのだが、同行したアブドゥルを含め、非常にお気に入り。以前、エチオピアを旅行して以来、と言う。 写真を見て、ずいぶんきれいな白だな、と思ったら正解。エチオピアのインジェラはもっと灰色、というか、見た目が良くない。ここのは、酸味がずいぶん少ない気がした。好き好きだろうけど、エチオピアの時よりもたくさん入らない感じがした。 そして、今朝、無事にパリに着いた。トランジットが15時間ほど。若かりし日は余裕で空港で待ったものだが、少し寝たいのと、作業がたまっているので、時間貸しのホテルに部屋を取った。しかし、遅れてほしいときに飛行機は早く着く。6時着予定が5時半。時間貸しの部屋は8時から。仕方ないので、ホテルで朝食を取る。フランスでイングリッシュ・ブレックファストみたいなとり方になってしまった。 夜、朝とちょいと贅沢してみました。 これからやっと帰国です。 にほんブログ村

揃った!

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今回の滞在最後の記事。 こちらで資料をそろえるのは結構大変だ。図書館が惨憺たるものばかり、電子検索に馴れた我々にとっては、ずいぶんもどかしい思いをすることが多い。そして、資料が一か所に固まっておらず、省庁のそのまた下部組織、といった具合。大概たらいまわしだ。「質」についても、修士論文くらいだと、同じ分野の論文では同じ参考文献、同じ場所のフィールドワークなので、結論は大概似ている。なので、論文はあまり面白くない。 「少年の国際移動」とか「ストリート・チルドレン」をキーワードに資料探しをしていた。もう1年半くらいいろんなところに行ったが、あるスイスのNGOは、アポを何回もずらされたうえ、その後なしのつぶて。電話すら着信拒否状態。ある省庁は、4回にオフィスがあるのに、洪水でコピーが全部なくなった。 そんなこんなで、文献収集はあんまりうまくいっていなかった。 前回の滞在の時、国連の資料室にも足を運んだ。スケジュール調整がうまくいかず、結局国連本体の司書に会えなかったが、今回やっとのことで資料を見せていただいた。論文7本、レポート10本ほど。おそらくこの辺が限界だろう。出国前日。数百ページのコピーも、アブドゥルのハードネゴで1時間で出来上がり。なんとか必要なものは揃ったはず。 後は読み込むだけ。これで論文ができない口実もなくなった… にほんブログ村