科学研究費「西アフリカのライシテと宗教性の連続性の文化人類学的研究」(基盤B/21H00651)
(トゥーバのグランモスク) 2021年度より「 西アフリカのライシテと宗教性の連続性の文化人類学的研究 」というテーマで科研費の研究助成をいただけることになりました。 科研のウェブサイトにも出ていますが、この研究の概要を次に示しておきたいと思います。 19世紀にフランスで確認された政治における宗教の不介在(ライシテ)は、現代社会では当然のものと認識されるが、ライシテ発祥のフランスにおいてすら、この原則から逸脱する事例が数多くある。旧フランス植民地の現仏語圏アフリカでもライシテはそれぞれの憲法に謳われているものの、社会救済性を是とするイスラームは、本来行政が担うべき、教育や社会福祉などの領域を肩代わりしている。ムスリムたちの日常実践の束は、近代化した宗教学校や、信仰NGOなどと呼ばれるムスリムによる中間集団を形成している。本研究では、これらをアフリカ的なライシテ-宗教性の連続体として分析し、現代社会の個人と宗教の在り方を考察する。 先日アップした学会報告の指摘でもあったように、まだ語句の不安定さや、問題の焦点化が甘いですが、すでに3年目に差し掛かり、そろそろこの研究課題なりの「答え」を出すことを考え始めねばなりません。 コロナ禍により、最初の1年間は現地調査ができませんでしたが、昨年から少しずつメンバーの海外調査も進められるようになってきました。そろそろ調査結果を集積し、成果を考え始めねばならない時期になりました。 また少しずつこちらで研究進捗などを報告したいと思います。